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eメール時評:歓迎!同性愛カップル様
豪・ラトローブ大教授 杉本良夫

朝日2002/05/02朝刊・文化面

uploaded 2002/05/02


 オーストラリアの不動産業界で、歓迎されている集団がある。ゲイやレズビアンなどの同性愛カップルだ。子供がなくて、2人とも働いているのが普通だから、高消費層だ。ダブルインカム・ノーキッズで、金離れがいいと人気が高い。

 こうした傾向には、裾野(すその)がある。この国では、同性愛の人たちが急激に市民権を得てきている。エリート層の中核にいる人たちの中からも、「カミング・アウト」する人が出てきた。男性では最高裁判事、政党の党首、女性では医師会会長などが、同性のパートナーと暮らしていることを公言している。

 制度的な保護も強い。ホモセクシュアルの人たちは、同性間で法律上の結婚ができる。不動産や銀行口座を共同名義にすることは、ごく当たり前だ。病気や事故で一方が死んだ場合、残された連れ合いが、資産相続できる仕組みもある。かつては、死亡した方の親戚(しんせき)などに持っていかれて、泣き寝入りだった。

 シドニーでは、毎年同性愛者の祭典が開かれ、パレードが全国にテレビ中継される。二十数年前は行進不許可で、逮捕者が出たものだ。今年のメルボルンの祭りには、州警察本部長(女性)が協賛し行進に加わった。

 性の好みは私的な領域に属する。それを嘲笑(ちょうしょう)や偏見の対象にするのは、自分らしい生き方を選ぶ人たちへの心理的虐待だ。その点が広く認められ、この被差別集団に対する頑迷の牙城(がじょう)が崩れる兆しがある。


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