[PR]テレビ番組表
今夜の番組チェック

Trans News > 法令

Council of Europe flag

欧州人権条約(人権及び基本的自由の保護のための条約)(抄)(有斐閣「国際条約集 2000年版」)

署 名 1950年11月4日

効力発生1953年9月3日

最終改正 第11議定書(94・5・11署名、98・11・1発効)

English Français

last edited 2003/02/18

 


欧州審議会加盟国であるこの条約の署名国政府は、

1948年12月10日に国際連合総会が発布した世界人権宣言を考慮し、

この宣言が、その中で宣言された権利の普遍的かつ効果的な承認及び遵守を確保することを目的としていることを考慮し、

欧州審議会の目的が加盟国間のいっそう大きな統一の達成であること、並びにその目的を追求する方法のひとつが人権及び基本的自由の維持及びさらなる実現であることを考慮し、

世界における正義及び平和の基礎であって、一方では実効的な政治的民主主義により、他方ではそれが依存している人権の共通の理解及び遵守によって最もよく維持される基本的自由に対する深い信念を再確認し、

志を同じくし、かつ、政治的伝統、理想、自由及び法の支配の共通の遺産を有する欧州諸国の政府として、世界人権宣言に掲げる権利の若干のものの集団的な実施を確保するための最初の措置をとることを決意して、

次のとおり協定した。

 

第1条(人権を尊重する義務)締約国は、その管轄内にあるすべての者に対し、この条約の第1節に規定する権利及び自由を保障する。

第1節 権利及び自由

第2条(生命に対する権利)1 すべての者の生命に対する権利は、法律によって保護される、何人も、故意にその生命を奪われない。ただし、法律で死刑を定める犯罪について有罪の判決の後に裁判所の刑の言い渡しを執行する場合は、この限りでない。

2 生命の略奪は、それが次の目的のために絶対に必要な、力の行使の結果であるときは、本条に違反して行われたものとみなされない。
(a) 不法な暴力から人を守るため
(b) 合法的な逮捕を行い又は合法的に抑留した者の逃亡を防ぐため
(c) 暴力又は反乱を鎮圧するために合法的にとって行為のため

第3条(拷問の禁止)何人も、拷問または非人道的なもしくは品位を傷つける取扱いもしくは刑罰を受けない。

第4条(奴隷及び強制労働の禁止) 1 何人も、奴隷の状態又は奴隷状態に置かれない。

2 何人も、強制労働に服することを要求されない。

3 この条の適用上、「強制労働」には、次のものが含まれない。

第5条(身体の自由及び安全に対する権利) 1 すべての者は、身体の自由及び安全についての権利を有する。何人も、次の場合において、かつ、法律で定める手続に基づく場合を除くほか、その自由を奪われない。
(a) 権原のある裁判所による有罪判決の後の人の合法的な抑留
(b) 裁判所の合法的な命令に従わないための又は法律で定めるいずれかの義務の履行を確保するための人の合法的な逮捕又は抑留
(c) 犯罪を行ったとする合理的な疑いに基づき権原のある法的機関に連れて行くために行う又は犯罪の実行若しくは犯罪実行後の逃亡を防ぐために必要だと合理的に考えられる場合に行う人の合法的な逮捕又は抑留
(d) 教育上の監督のための合法的な命令による未成年の抑留又は権原のある法的機関に連れて行くための未成年の合法的な抑留
(e) 伝染病の蔓延を防止するための人の合法的な抑留並びに精神的異常者、アルコール中毒者若しくは麻薬中毒者又は浮浪者の合法的な抑留
(f) 不正規に入国するの防ぐための人の合法的な逮捕若しくは抑留又は退去強制若しくは犯罪人引渡しのために手続きが取られている人の合法的な逮捕若しくは抑留

2 逮捕される者は、速やかに自己の理解する言語で、逮捕の理由及び自己に対する被疑事実を告げられる。

3 この条の1(c)に規定に基づいて逮捕又は抑留された者は、裁判官又は司法権 を行使することが法律によって認められている他の官憲の面前に速やかに連れて行かれるものとし、妥当な期間内に裁判を受ける権 利又は裁判までの釈放される権利を有する。釈放に当たっては、裁判所への出頭が保障されることを条件とすることができる。

4 逮捕又は拘留によって自由を奪われた者は、裁判所がその抑留が合法的であるかどうかを迅速に決定するように及び、その抑留が合法的でない場合には、その釈放を命ずるように、手続きをとる権 利を有する。

5 この条の規定に違反して逮捕され又は抑留された者は、賠償を受ける権利を有する。

第6条(公正な裁判を受ける権利)1 すべての者は、その民事上の権利及び義務の決定または刑事上の罪の決定のため、法律で設置された独立のかつ公平な裁判所により妥当な期間内に公正な公開審理を受ける権利を有する。判決は公開で言い渡される。ただし、報道機関及び公衆に対しては、民主的社会における道徳、公の秩序もしくは国の安全のため、少年の利益もしくは当事者の私生活の保護のため必要な場合において、またはその公開が司法の利益を害することとなる特別な状況において裁判所が真に必要があると認める限度で、裁判の全部または一部を公開しないことができる。

2 刑事上の罪に問われているすべての者は、法律に基づいて有罪とされるまでは、無罪と推定される。

3 刑事上の罪に問われているすべての者は、少なくとも次の権利を有する。
(a) 速やかにその理解する言語でかつ詳細にその罪の性質及び理由を告げられること。
(b) 防御の準備のために充分な時間及び便益を与えられること。

(c) 直接に又自ら前出する弁護人を通じて、防御すること。弁護人に対する充分な支払手段を有しないときは、司法の利益のために必要な場合には無料で弁護人ふされること。
(d) 自己に不利な証人を尋問し又はこれに対し尋問させること並びに自己に不利な証人と同じ条件で自己のための証人の出席及びこれに対する尋問を求めること。
(e) 裁判所において使用される言語を理解し又は話すことができない場合には、無料で通訳の援助をうけること。

第7条(法に基づかない処罰の禁止) 1 何人も、実行の時に国内法又は国際法により犯罪を警戒しなかった作為又は不作為を理由として有罪とされることはない。何人も、犯罪が行われた時に刑罰よりも思い刑罰を科されない。

2 この条は、文明諸国の認める法の一般原則より実行の時に犯罪とされていた作為又は不作為を理由として裁判しかつ処罰することを妨げるものではない。

第8条(私生活及び家族生活が尊重される権利)1 すべての者は、その私生活、家族生活、住居及び通信の尊重を受ける権利を有する。

2 この権利の行使に対しては、法律に基づき、かつ、国の安全、公共の安全もしくは国の経済的福利のため、無秩序もしくは犯罪の防止のため、健康もしくは道徳の保護のため、または他の者の権利及び自由の保護のため民主的社会において必要なもの以外のいかなる公の機関による干渉もあってはならない。

第9条(思想、良心及び信教の自由)1 すべての者は、思想、良心及び宗教の自由について権利を有する。この権利には、自己の宗教又は信念を変更する自由並びに、単独で又は他の者と共同して及び公に又は私的に、礼拝、教導、行事及び儀式によってその宗教の又は信念を表明する自由を含む。

2 宗教又は信念を表明する自由については、法律で定める制限であって公共の安全のため又は公の秩序、健康若しくは道徳の保護のために民主的社会において必要なもののみを課す。

第10条(表現の自由) 1 すべての者は、表現の自由についての権利を有する。この権利には、公の機関による干渉を受けることなく、かつ国境とかかわりなく、かつ、意見を持つ自由並びに情報及び考えを受け及び伝えるテレビ又は映画の諸企業を許可制を要求することを妨げるものではない。

2 1の自由の行使については、義務及び責任を伴い、法律によって定められた手続き、条件、制限又は刑罰であ って、国の安全、領土の保全若しくは公共の安全のため、無秩序若しくは道徳の保護のため、他の者の信用若しくは権 利の保護のため、秘密に受けた情報の暴露を防止するため、又は、司法機関の権威及び公平さを維持するため民主的社会において必要なものを課することができる。

第11条(集会及び結社の自由) 1 すべての者は、平和的な集会の自由及び結社の自由についての権利を有する。この権 利には、自己の利益の保護のために労働組合を結成し及びこれに加入する権利を含む。

2 1の権利の行使については、法律で定める制限であって国の安全若しくは公共の安全のため、無秩序若しくは犯罪防止のため、健康若しくは道徳の保護のため、又は他の者の権 利及び自由の保護のため民主的社会において必要なもの以外のいかなる制限も課してはならない。この条の規定は、国の軍隊、警察又は行政期間の構成員による1の権 利の行使に対して合法的な制限を課することを妨げるものではない。

第12条(婚姻の権利)婚姻をすることができる年齢の男女は、権利の行使を規制する国内法に従って、婚姻しかつ家族を作る権利を有する。

第13条(実効的な救済を受ける権利)この条約に定める権利及び自由を侵害された者は、その侵害が公的資格で行動する者による場合でも、国の機関の前における実効的な救済を受ける。

第14条(差別の禁止)この条約に定める権利及び自由の享有は、性、人種、皮膚の色、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的もしくは社会的出身、国内少数者集団への所属、財産、出生または他の地位等いかなる理由による差別もなしに、保障される。

第15条(緊急時の適用除外)1 戦争その他の国民の生存を脅かす公の緊急事態の場合には、いずれの締約国も、事態の緊急性が真に必要とする限度において、この条約に基づく義務を離脱する措置をとることができる。ただし、その措置は、当該締約国が国際法に基づき負う他の義務に抵触してはならない。

2 1の規定は、第二条(合法的な戦闘行為から生ずる死亡の場合を除く。)第3条、第4条1及び第7条の規定からのいかなる離脱の措置をとる権 利を行使する締約国は、とった措置及びその理由を覆う州審議会事務局長にその旨通知する。

3 離脱の措置をとる権利を行使する締約国は、とった措置及びその理由を欧州審議会事務局長に十分に通知する。締約国はまた、その措置が終了し、かつ、条約の諸規定が再び完全に履行されているとき、欧州審議会事務局長にその旨通知する。

第16条(外国人の政治活動の制限)第10条、第11条及び第14条中のいかなる規定も、締約国が外国人の政治活動に対して制限を課することが妨げるものとみなされない。

第17条(権利濫用の禁止)この条約のいかなる規定も,国、集団、または個人が、この条約において認められる権利及び自由を破壊もしくはこの条約に定める制限の範囲を超えて制限することを目的とする活動に従事しまたはそのようなことを目的とする行為を行う権利を有することを意味するものと解することはできない。

第18条(権利の制限の使用の限定)前記の権利及び自由に対してこの条約の下で許される制限は、それを定めた目的以外のいかなる目的のためにも用いてはならない。

第2節 欧州人権裁判所

第19条(裁判所の設置)この条約及び条約議定書において締約国が行った約束の遵守を確保するために、欧州人権裁判所(以下「裁判所」という。)を設立する。裁判所は常設の機関として任務を遂行する。

第20条(裁判官の数)裁判所は、締約国の数と同数の裁判官で構成する。

第21条(就任の基準)1 裁判官は、高潔な人格を有し、かつ、高等の司法官に任ぜられるのに必要な資格を有する者または能力を認められた法律家でなければならない。

2 裁判官は、個人の資格で裁判に携わる。

3 裁判官は、その任期中、裁判官の独立、公平性または専任としての負担と両立しないいかなる活動にも従事してはならない。本項の適用から生ずるすべての問題は、裁判所が決定する。

第22条(裁判官の選挙)1 裁判官は、各締約国について当該締約国によって指名される3名の候補者の名簿の中から、投じられた投票の多数により議員総会が選出する。

2 新しい締約国が加入した場合及び一時的な空席を埋める場合には、裁判官の席を満たすために前記と同一の手続に従う。

第23条(任期)1 裁判官は、六年の任期で選出される。裁判官は、再任されることができる。

2 最初の三年の期間で任期が、できる限り、三年ごとに更新されることを確保するために、議員総会は、いずれかの次の選挙を行う前に、選出される一又は二以上の裁判官の任期を九年を肥えず年を下回らない範囲で六年以外の期間とすることを決定することができる。

3 裁判官ののち半数の任期が、できる限り、三年ごとに更新されることを確保するために、議員総会は、いずれかの次の選挙を行う前に、選出される一又は二以上の裁判官の任期を九年越えず三年を下回らない範囲で六年以上の期間とするこを決定することができる。

4 二以上の任期が含まれ、かつ、議員総会が3を適用する場合には、任期の割当は、当該の選挙の完了後直ちに欧州審議会事務総長がくじ引きによって行う。

5 任期がまだ終了していない裁判官の後任者として選出される裁判官は、前任者の残任期期間中存在するものとする。

6 裁判官の任期は、裁判官が七〇歳に達する時に終了する。

7 裁判官は、後任者と代わるまで存在するものとする、ただし、裁判官は、既に審理中の事件は引き続き取り扱わなければならない。

第24条(解任)いかなる裁判官も、他の裁判官が三分の二の多数決により当該裁判官は必要とされる条件を満たさなくなったと決定するのでない限り、職務から解任されることははない。

第25条(書記局及び法務事務官)
裁判所は、書記局を置く。書記局の機能及び組織は、裁判所規則で定める。裁判所は、法務事務官が補佐する。

第26条(全員法廷)
裁判所の全員法廷は、次のことを定める。
(a) 三年の任期で、裁判所長及び一又は二名の裁判所長及び裁判所次長は再任することができる。
(b) 期間を定めて構成される小法廷を設置すること。
(c) 各小法廷の裁判長を選任すること。小法廷の裁判長は、再任されることができる。
(d) 裁判所規則を採択すること。並びに、
(e) 書記局長及び一又は二名以上の書記事務次長を選任すること。

第27条(委員会、小法廷、大法廷)1 裁判所は、提訴される事件を審理するため3人の裁判官からなる委員会、7人の裁判官からなる小法廷及び17人の裁判官からなる大法廷を設ける。小法廷は、期間を定めて委員会を設置する。

2 関係当事国のために選出された裁判官は、小法廷及び大法廷の職員の職権による裁判官として出席するものとし、関係当事国のために選出された裁判官がいないか又は出席できない場合には、当該国が裁判官の資格で出席するよう選定したものが小法廷及び大法廷の職権 による裁判官として出席する。

3 大法廷はまた、裁判所長、小法廷の裁判長及び裁判所規則の従って選任される他の裁判官を含める。事件が第43条に基づいて大法廷に付託される場合には、判決を行った小法廷の裁判官は、小法廷の裁判長及び関係当事国のために出席した裁判官を除き、大法廷に出席してはならない。

第28条(委員会による不受理の宣言)委員会は、第34条に基づいて付託される個人の申立てを、それ以上審理することなく決定できる場合には、全員一致の投票により、受理できないと宣言しまたは事件目録から削除することができる。この決定は、最終的なものとする。

第29条(小法廷による受理可能性と本案に関する決定)1 第28条に基づく決定が行われない場合に、小法廷は、第34条に基づいて付託される個人の申立ての受理可能性及び本案について決定する。

2 小法廷は、第33条に基づいて付託される国家間の申立ての受理可能性及び本案について決定する。

3 受理可能性に関する決定は、裁判所が例外的に別段の決定をする場合を除き、別個に行うものとする。

第30条(大法廷への管轄の委譲)小法廷に係属する事件がこの条約もしくはこの条約の議定書の解釈に影響を与える重大な問題を提起する場合または小法廷における問題の解決が裁判所が以前に下した判決と一致しない結果をもたらす可能性がある場合には、小法廷は、判決を行う前のいずれの時でも、大法廷へ管轄を委譲することができる。ただし、事件の当事者の一がこれに反対する場合は、この限りでない。

第31条(大法廷の権限)大法廷は、次のことを行う。
(a) 第33条または第34条に基づいて付託される申立てについて、小法廷が第30条に基づいて管轄を委譲した場合または事件が第43条に基づいて大法廷に付託された場合に、決定を行うこと。
(b) 第47条に基づいて付託される勧告的意見の要請について審理すること。

第32条(裁判所の管轄)1 裁判所の管轄は、第33条第34条及び第47条に基づいて裁判所に付託されるこの条約及びこの条約の議定書の解釈並びに適用に関するすべての事項に及ぶ。

2 裁判所が管轄を有するか否かについて争いがある場合には、裁判所が決定する。

第33条(国家間の事件)
いずれの締約国も、他の締約国によるこの条約及びこの条約の議定書の規定の違反を裁判所に付託することができる。

第34条(個人の申立て)裁判所は、この条約またはこの条約の議定書に定める権利が締約国の一によって侵害されたと主張する自然人、非政府団体または個人の集団からの申立てを受理することができる。締約国は、この権利の実効的な行使を何ら妨げないことを約束する。

第35条(受理可能性の基準)1 裁判所は、一般的に認められた国際法の原則に従って、すべての国内救済措置が尽くされた後で、かつ、最終的な決定がなされた日から6箇月の期間内にのみ、事案を取り扱うことができる。

2 裁判所は、第34条に基づいて付託される個人の申立てであって、次のいずれかにあたるものは取り扱ってはならない。
 (a) 匿名のもの。
 (b) 裁判所がすでに審理したか、または他の国際的調査もしくは解決の手続にすでに付託された事案と実質的に同一であって、かつ、いかなる関連情報も含んでいないもの。

3 裁判所は、第34条に基づいて付託される個人の申立てであって、この条約またはこの条約の議定書の規定に抵触するが、明白に根拠不十分か、または申立権の濫用と考えるものは受理することができないと宣言する。

4 裁判所は、本条に基づいて受理できないと判断するいかなる申立ても却下する。裁判所は、手続のいずれの段階でもこの却下を行うことができる。

第36条(第三者参加)1 小法廷及び大法廷に係属するすべての事件において、自国の国民が申立人となっている締約国は、書面の陳述を提出し、かつ弁論に参加する権利を有する。

2 裁判所長は、司法の適正な運営のために、裁判手続の当事者ではない締約国または申立人でない関係者に対し、書面の陳述を提出しまたは弁論に参加するよう招請することができる。

第37条(申立の削除)1 裁判所は、事情により次のいずれかの結論が導かれる場合には、手続のいずれの段階においても、申立てを事件目録から削除することを決定することができる。
(a) 申立人が自己の申立ての継続を望んでいない場合
(b) 事案が解決された場合
(c) 裁判所によって確認されたその他の理由により、引き続き申立ての審理を行うことが正当化できない場合
ただし、裁判所は、この条約及びこの条約の議定書が定義する人権の尊重のために必要な場合には、申立ての審理を継続する。

2 裁判所は、事情により正当であると考える場合には、申立てを事件目録に再記載することを決定することができる。

第38条(事件の審理及び友好的解決手続)1 裁判所は、申立てを受理できると宣言した場合には、次のことを行う。
(a) 当事者の代表とともに、事件の審理を行い、必要があれば調査を行う。この調査を効果的に行うために、関係国は、すべての必要な便宜を供与する。
(b) この条約及びこの条約の議定書が定義する人権の尊重を基礎とする事案の友好的解決を確保するために、裁判所を関係当事者に利用させる。

2 1(b)に基づいて行われる手続は、非公開とする。

第39条(友好的解決の認定)友好的解決が成立した場合には、裁判所は、決定により、目録から当該事件を削除する。その決定には、事実及び到達した解決の簡潔な記述のみを含める。

第40条(公開の弁論及び文書の閲覧)1 弁論は、裁判所が例外的に別段の決定をする場合を除き、公開とする。

2 書記局長に寄託された文書は、裁判所長が別段の決定をする場合を除き、公衆が閲覧できるようにする。

第41条(正当な精神的満足)裁判所がこの条約またはこの条約の議定書の違反を認定し、かつ、当該締約国の国内法が部分的な賠償がなされることしか認めていないときは、裁判所は、必要な場合には、被害当事者に正当な精神的満足を与えなければならない。

第42条(小法廷の判決)小法廷の判決は、第44条2の規定に従って最終のものとなる。

第43条(大法廷への付託)1 事件のいずれの当事者も、例外的な場合に、小法廷への判決の日から3箇月内の期間内に、当該事件を大法廷に付託するよう請求することができる。

2 大法廷の5人の裁判官で構成される審査部会は、当該事件がこの条約もしくはこの条約の議定書の解釈または適用に影響する重大な問題または一般的な重要性をもつ重大な問題を提起する場合には、その請求を受理する。

3 審査部会が請求を受理した場合には、大法廷は、当該事件を判決によって決定しなければならない。

第44条(最終判決)1 大法廷の判決は、最終のものとする。

2 小法廷の判決は、次のいずれかの場合に最終のものとなる。
(a) 当事者が事件を大法廷に付託するよう請求する意思のないことを宣言した場合
(b) 判決の日の後3箇月経過し、その間に事件の大法廷への付託が請求されなかった場合
(c) 大法廷の審査部会が第43条に基づく付託請求を却下した場合

3 最終判決は、公表される。

第45条(判決及び決定の理由)1 判決及び申立ての受理または受理不能を宣言する決定には、理由を付す。

2 判決がその全部または一部について裁判官の全員一致の意見を表明していないときは、いずれの裁判官も、個別の意見を表明する権利を有する。

第46条(判決の拘束力及び執行)
1 締約国は、自国が当事者であるいかなる事件においても、裁判所の最終判決に従うことを約束する。

2 裁判所の最終判決は、閣僚委員会に送付される。閣僚委員会は、その執行を監視する。

第47条(勧告的意見)1 裁判所は、閣僚委員会の要請により、この条約及びこの条約の議定書の解釈に関する法的問題について勧告的意見を与えることができる。

2 この意見は、この条約の第1節及びこの条約の議定書が定義する権利及び自由の内容または範囲に関するいかなる問題、または裁判所もしくは閣僚委員会がこの条約に基づいて開始する手続の結果検討しなければならないその他のいかなる問題も取り扱ってはならない。

3 裁判所の勧告的意見を要請する閣僚委員会の決定は、委員会に出席する資格のある代表者の過半数の投票を要する。

第48条(裁判所の勧告的管轄)裁判所は、閣僚委員会が付託した勧告的意見の要請が第47条が定義する権限内にあるかどうかを決定する。

第49条(勧告的意見の理由)
1 裁判所の勧告的意見には、理由を付す。

2 勧告的意見がその全部または一部について裁判官の全員一致の意見を表明していないときは、いずれの裁判官も、個別の意見を表明する権利を有する。

3 裁判所の勧告的意見は、閣僚委員会に通知される。

第50条(裁判所の経費)(略)

第51条(裁判官の特権及び免除)(略)

第3節 雑則

第52条(事務総長による照会)(略)

第53条(既存の人権の保護)
この条約のいかなる規定も、いずれかの締約国の法律または当該締約国が当事国となっているいずれかの他の協定に基づいて保障されることのある人権及び基本的自由のいかなるものも制限し、またはそれからの逸脱を許すものと解してはならない。

第54条(閣僚委員会の権限)(略)

第55条(他の紛争解決手段の排除)(略)

第56条(適用領域)(略)

第57条(留保)(略)

第58条(離脱)(略)

第59条(署名及び批准)(略)

(末文略)


法令へ
topへ