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事実でないレイプ 張り紙苦に自殺? 米フロリダ州 38歳 性犯罪者登録に波紋
updated 2005/05/10
事実でないレイプ 張り紙苦に自殺? 米フロリダ州
38歳 性犯罪者登録に波紋 (朝日 2005/04/30朝刊国際面)
米フロリダ州の林に囲まれた家で今月21日早朝、38歳の男性が死んだ。薬を飲んで自殺したとみられているが、遺体の横に、1枚の紙が落ちていた。この男性の名前、写真の下に「チャイルド・レイピスト(子どもをレイプしたやつ)」の太い文字。男性には性犯罪の過去があったが、子どものレイプ歴はない。だれがそんなレッテルをはったのか。波紋が広がっている。
(オカラ<フロリダ州>=江木慎吾)
自殺の3日前、男性の自宅近くの電信柱に張り紙があった。文面は遺体のそばに落ちていたのと似た内容だった。男性と一緒に住む父親が見つけ、翌日、警察に報告していた。
管轄するマリオン郡の保安官事務所がまとめた報告書によると、男性は張り紙を見て「近所の連中が自分を傷つけようとしているのではないか」と不安に思ったという。
男性はワシントン州に住んでいた91年、近所の知り合いの女の子と裸を見せ合ったとして「性犯罪者」として登録されていた。フロリダ州では過去に性的な犯罪で有罪になった人間を登録し、ウェブサイトに写真、住所などを掲載しており、男性も載っていた。しかし髄膜炎を患い、車いすの生活を続ける男性は、子どもをレイプしたことはない。張り紙に衝撃を受けた男性は「もうすべてを終わりにしたい」と話した、と報告書にはある。保安官事務所は男性を自傷のおそれがあるとして病院に送り、診察後に男性は帰宅したという。保安官事務所のデニス・ストロー警部は言う。「男性の場合は03年に周囲に危害を与える危険性を検討し、危険なしと判定した。危険性の高い登録者には半年に1度、周辺の家庭に対し、登録者の存在を通知していたが、男性は、その対象ではなかった」
男性が自殺するきっかけをつくったとみられる張り紙については、同事務所が捜査している。張り紙は州の登録性犯罪者のウェブサイトの情報を加工してつくったものだった。州法が禁じる州の公式情報の改さんにあたる可能性がある。「住民が勝手に法の執行宮になってはならないし、第一、今回の男性は『レイプ犯』ではない。とても気の毒な事件だ」。ストロー警部は言った。
フロリダ州では今年、女の子が連れ去られ、周辺が大捜索されて全米の注目を集めた事件が2件続いた。いずれもマリオン郡の近隣で起きた。双方の事件とも女の子が殺されて見つかり、登録性犯罪者が逮捕、起訴された。登録制がありながら、機能していないという議論が起こり、性犯罪者に対する監視強化の主張につながっている。
男性の事件はマリオン郡で、性犯罪者の家にしるしをつける制度の導入を検討する議論が起きているさなかに起きた。これを先取りする形で、だれかが張り紙をしたようにもみえる。
家にしるしをつける制度には、保安官事務所が行き過ぎだと反対している。しかし、男性の自殺を受け、登録性犯罪者について犯罪の軽重にかかわらず、周辺住民に情報を書いた文書を配ることを決めた。男性の場合のようにでたらめな情報が流布するのを避けるため、正確な情報を提供することにしたという。
| キーワード マリオン郡の「性犯罪者」登録制度 クリントン政権が常習的な性犯罪者から子どもを守るために導入したメーガン法に基づく。性犯罪の前歴者を「性犯罪者」と、2度以上繰り返している「常習性犯罪者」に分けて登録し、フロリダ州のウェブサイトに名前、写真、住所、犯罪の概要を掲載する。月に1度、郡の保安官事務所が家庭を訪問、常習者については半年に1度、周辺家庭に情報を提供する仕組みだった。しかし、今回の事件を受けて常習であるかないかの区別なく、近隣に文書を配って周知することになった。現在、郡で589人が登録されている。 |
Sex offender's suicide questions public notification (AP 2005/05/06)
韓国の性犯罪者対策 常習者「GPS端末で監視を」 着用義務づけ人権論議呼ぶ
(朝日 2005/04/30朝刊国際面)
【ソウル=高槻忠尚】性犯罪の再発を防止するため、常習者に全地球測位システム(GPS)による腕輪型の位置監視端末の着用を義務づける制度が韓国で推進され、犯罪防止と人権保護をめぐる論議を呼んでいる。
最大野党ハンナラ党が26日、記者会見で同制度を盛り込んだ法律案を6月に提出する方針を明らかにしたのがきっかけ。
同党によると、腕輪型の位置監視端末から発信された信号をもとに、警察が性犯罪常習者を24時間態勢で監視。腕輪を外してもすぐに感知される仕組みという。使用者の心拍・脈拍を常時観察する案も検討中で、「犯罪時の異常な身体変動」を捕らえ次第、警察が出動することもあるという。
同党によると韓国では強姦(ごうかん)などの性犯罪は00年の1万600件から昨年は1万4154件に増加。再犯率は8割を超すとされ、同党は「防止には特段の措置が必要だ」としている。同様の位置確認制度は英国などで部分的に導入されている。
制度導入には「性犯罪防止にはやむを得ない」と賛成する意見がある一方、「個人の基本権の侵害だ」(文化日報)などと批判も少なくない。