Trans News > Articles > Harvard University President's Gender Discrimination

米ハーバード大学サマーズ学長性差別発言問題

updated 2005/03/17


Harvard University (Cambridge, Massachusetts, US)
President


ハーバード大教授会、学長の不信任案可決 差別発言で (CNN.co.jp 2005/03/16)

マサチューセッツ州ケンブリッジ──米国の名門ハーバード大学の教授会は15日、女性差別発言をしたとされるローレンス・サマーズ学長の不信任案を、賛成218、反対185、棄権18の賛成多数で可決した。教授会に総長罷免の権限はなく、不信任案に効力はないが、教授陣が総長の指導力に疑問を投げ掛けた結果となった。

約370年の歴史を持つハーバード大学で、教授会が総長の不信任案を可決したのは、初めて。1969年に、当時の学生が行動を起こし、ネイサン・マーシュ・ピュージー総長の不信任を可決したことがある。

不信任議案を提出したJ・ローランド・マトリー教授は、不信任案に賛成する教授は、全体の30%程度だと事前予想しており、賛成多数の結果に驚いている。

一方、総長の罷免権限を持つ理事会は、サマーズ総長を支持。また、総長自身も、辞任するつもりはないと明言している。

サマーズ総長は、クリントン政権下で財務長官を務めた経済学者。今年1月、「科学分野で活躍する女性が数少ないのは、生まれつきの男女差があるから」などと発言し、内外から批判を受けた。


サマーズ米ハーバード大学長に不信任決議 (日本経済 2005/03/16)

 【ワシントン=吉田透】元米財務長官のサマーズ米ハーバード大学長が女性を見下す発言をしたことに対して、同大の教養学部は15日、学長の不信任決議を賛成多数で可決した。ハーバード大の400年近い歴史でも前代未聞の出来事という。学長辞任を求める圧力は一段と勢いづきそうだ。

 教養学部は同大を構成する10学部・大学院の一つ。教官・職員らが参加した学長の不信任決議案の採決は、賛成218票、反対185票で可決した。

 サマーズ氏はクリントン政権で財務次官、副長官、長官と米財務省の要職を歴任。為替相場にも大きな影響力を持っていた。2001年7月から現職だが、今年1月の講演で自然科学分野で優秀な女性が少ないのは男女の性差によると発言したと伝えられた。

 大学内外から「女性を不当に差別する発言だ」と批判する声が噴出。サマーズ氏は釈明に必死になっていたが、2月以降辞任を求める圧力が強まり続けていた。 (13:00)


ハーバード大学:女性差別の学長、教授会が不信任決議 ハーバード大学のローレンス・サマーズ学長 (毎日 2005/03/16)

 【ニューヨーク高橋弘司】米国の名門、ハーバード大学の人文科学部教授会は15日、ローレンス・サマーズ学長に事実上、不信任を突きつける決議を採択した。同学長が1月の講演で、女性差別ととられかねない発言を行ったのを機に、その強引な大学運営にまで批判が及んだ結果だ。決議に拘束力はないが、約370年の歴史で初めての出来事で、騒ぎはさらに拡大する様相だ。

 騒ぎは1月14日、サマーズ学長が講演で、優秀な科学者に女性が少ないのは「生まれつきの性差による」と語る一方、「数学や科学のテストで、いい点を取る女子学生(の数)は男子学生より少ない」などと話したのが発端だ。内外の猛反発を受け、学長は謝罪した。

 クリントン政権時代には財務長官を務めたサマーズ氏は、4年前の就任以降、キャンパス拡張計画や科学研究目標の改善など矢継ぎ早の改革に着手。歯に衣(きぬ)着せぬ発言や脅迫的ともいえる大学運営の手法に対する不満が頂点に達していた。

 人文科学部教授会で採択された決議は「サマーズ学長の指導力は信任を欠いている」と指摘しており、218人が賛成、185人が反対した。反学長派のマトリー教授は「辞任以外の手段はない」と強硬だ。


ハーバード大教授会、問題発言の学長不信任を決議 (読売 2005/03/17)

 【ニューヨーク=大塚隆一】「女性は科学が苦手」という趣旨の発言に端を発したサマーズ米ハーバード大学長をめぐる騒動で、同大教授会は15日、学長の不信任決議案について投票を行い、賛成218、反対185、棄権8で可決した。

 学長を罷免できる権限を持つ理事会はサマーズ支持を表明しており、この日の決議は象徴的な意味しか持たない。

 しかし、名門ハーバード大の400年近い歴史で教授会が学長不信任を決議したのは初めて。サマーズ学長は「信頼回復のために全力を尽くす」とする声明を出し、職務を続ける意向を改めて強調したが、今後一段と苦しい立場に追い込まれそうだ。

 決議は「学長の指導力に信頼を寄せられない」という短い内容。支持した教授の多くは、女性と科学をめぐる発言より、強引な学内改革の進め方などに不満を強めていたとみられる。

 決議を提出した教授は「30%程度の支持しか得られないと思っていた。もう辞任しかない」と語った。


アメリカ女性研究者の地位 ハーバード大学 学長の性差別発言 (しんぶん赤旗 2005/03/16)

 自然科学の研究者に女性が少ないのは社会的な偏見などとともに「本来備わった男女の差異」、つまり女性は生まれながらに科学が苦手だからだといった米ハーバード大のラリー・サマーズ学長の発言(一月十四日)が性差別発言だと波紋を広げています。

 昨年十一月に東北大学で開催された「国際シンポジウム『ジェンダー法学・政治学の比較的展望』」でマサチューセッツ大学名誉教授マーティンさんの報告を思いだしました。

 マーティンさんは、アメリカの語学、文学などでは博士号取得者の半数以上が女性なのに対して、数学、物理化学などでは新規に取得した八分の七は男性。それを導いているのは、男女共学教育の内部で事実上の男女別々の領域にすすむような軌道がしかれているからだと指摘しました。

 さらに、教授階層から女性教員が排除されているといいます。専門分野のピラミッドでは評価が一番高い領域では女性は少数派であり、正教授職という最高の職位階層に女性はほとんどいない。授業負担が重くプレステージの低い下層部分に、たくさんの女性がいる。「看過してよいのだろうか」と問う。高等教育で、女性たちが学問領域を選択するときに、女性と男性を異なる領域に追い込むような社会的圧力や文化的な要請という影響を受けている。制度として男女共学が実施されても現実は差別や偏見が横行しているという報告でした。状況はリアルであり、サマーズ学長発言に怒りが沸く女性たちの姿に重なるものでした。

 アメリカは、女性の社会進出がすすみ、男女差別の課題でも人権の問題でも、「すすんだ国」と自負し、国連の場でも他国の人権問題を告発、制裁の先頭にたっています。「民主主義のモデル」をふりかざすことも少なくありません。

 ところが、国連女性差別撤廃条約も子どもの権利条約も、ILO条約一〇〇号(同一価値の労働についての男女労働者にたいする同一報酬に関する条約)、一五六号(家族的責任を有する男女労働者の機会及び待遇の均等に関する条約)なども批准していません。女性差別撤廃条約は女性に対する差別だけを扱うものであり、合衆国憲法の平等規定に反するといいます。どちらかの性を「保護」するのは差別だという平等の論理は徹底しています。出産も健康状態を理由とする医療休暇であり、給与保障はしない。大学の女性に「仕事か家庭か」の選択を迫り、それで地位と評価を決めているのではないでしょうか。

 男女平等とは、産む性である女性の生き方を社会的に保障するかどうか、利潤追求優先社会のありようとの攻防だとあらためて痛感します。

(広井暢子)


米ハーバード大:総長の女性差別発言で名門大が大揺れ (毎日 2005/02/18)

 クリントン米政権下で財務長官を務めた米ハーバード大のサマーズ総長が女性差別発言をしたとされる問題で、総長の不信任投票を求める動きが教授の間に広がるなど、世界屈指の名門大が大揺れとなっている。

 18日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルなどが伝えた。

 総長が17日になってしぶしぶ公開した発言録によると、1月14日の米経済調査局(NBER)での講演で、科学や工学の分野で高水準の業績を残した女性が少ないのは「(女性)固有の素質の問題」の可能性があると発言。

 総長は17日、大学の教授会に「違う表現で発言すべきだった」と謝罪する書簡を提出したが、発言録の内容は「衝撃的」(フィッシャー同大教授)と波紋を広げた。教授会が不信任投票を行い、解任の判断を大学経営側に委ねる可能性もある。(ニューヨーク共同)


[オピニオン]科学と女性 (東亜日報・日本語版 2005/02/18)

「女性を怒らせないように」。もし、ローレンス・サマーズ米ハーバード大学長が学長職を辞めることになれば、今後はこのような教訓を胸に銘じて生きて行くかも知れない。女性卑下発言をしたことで、辞任のピンチに立たされているからだ。波紋は、サマーズ学長が先月14日、ある非公開セミナーで、「女性は先天的に科学的才能が劣る」と言ったことが知られてから始まった。

◆しかし、17日に公開された正確な発言内容は、推測するほどの女性卑下的なものとは思えない。主旨はこういう話した。「科学分野のトップクラスになぜ女性が少ないのか。私が間違っているかも知れないが、皆さんを怒らせるために言うと、社会的要因や性的差別よりは、家族たちの圧力と雇用主の要求、そして男女の間に内在している差のためだと思う」。

◆米国で科学、工学、技術の分野で働く女性は全体従事者の約20%だ。女性科学者たちは高位職に多くないため、平均賃金も男性よく少ない。男性が1ドルなら女性は77セントぐらいだ。その理由として女性科学者たちが最初に挙げるのが、育児負担だ。発展の速度が特に早い科学界の特性上、子どもを生んですぐ業務に復帰したぐらいでも立ち遅れを心配しなければならないのが実情だ。生き残るためには1週間に80時間以上働かなければならない。生命を保ちたいなら仕事を減らすか、家庭を諦めなければならないのだ。このような「足かせ」が家族の圧力、雇用主の要求、そして男女の差でなければ、一体何だと言えるだろうか。

◆サマーズ氏が言ったのが、女性の劣等さではなかったことに注目しなければならない。自分の個人的な偏見が大学行政に反映されたかどうかは別問題だが、女性たちは、正確に伝えられているわけでもない発言に、過度に感情的に対応することで、結局「男女の差」をさらけ出した格好となった。すべてを社会のせいにするのも問題だが、育児負担を含めた家族の圧力、雇用主の要求の問題は、社会がより積極的に解決しなければならないというフェミニストたちの主張にも一理がある。そうしてこそ有能な女性科学者も消えず、先進国の人口もこれ以上減らなくなるだろう。

金順徳(キム・スンドク)論説委員 yuri@donga.com


topへ

米ハーバード大学サマーズ学長性差別発言問題 - TransNews