
(西暦は引用者)
戸籍訂正申立却下審判
名古屋家庭裁判所審判昭和54(1979)年9月27日
家庭裁判月報33巻9号61頁
法律時報55巻1号202頁,石原明・大島俊之編著『性同一性障害と法律』184頁(晃洋書房,2001年)
→ 抗告審 名古屋高等裁判所決定昭和54(1979)年11月8日
last edited 2001/04/29
主文
本件申立を却下する。
理由
第一,申立人は,「本籍,名古屋市○○区○○町×丁目××番地,筆頭者申立人の戸籍および関連戸籍中事件本人○○○○の父母との続柄がニ男とあるを長女に,事件本人○○○○の父母との続柄が長女とあるのを二女に各訂正することを許可する」との審判を求め,理由として次のとおり述べた。即ち,
1
事件本人○○は申立人および妻○○との間に昭和27(1952)年○月○日二男として出生し,同じく事件本人○○は昭和33(1958)年○月○日長女として出生し,それぞれその旨届出した。
2
事件本人○○は出生時男と診断されたので上記の如く届出したものであるが,元々いわゆる半陰陽で,長ずるに従い女性の特徴が顕著となり,この際性転換手術をうけて外形的にも女性となった。よって申立の趣旨通りの審判を求める。
第二,当裁判所の判断は次のとおりである。即ち,記録中の各戸籍謄本によれば,申立人主張の第一の1の事実は各認められる。
けれども鑑定人○○○○の鑑定結果によれば,事件本人は染色体検査,骨盤エックス線検査,診断所見によっても本来正常な男性であって,造腔術等の一連の性転換術や豊胸術によって外見上女性型を示しているにすぎない。よって事件本人○○は依然男と認めるほかなく,本件申立は前提を欠くことになり,爾余の判断をするまでもなく却下をまぬがれず,主文のとおり審判する。
(赤字はママ)
参考条文
戸籍法第113条
戸籍の記載が法律上許されないものであること又はその記載に錯誤若しくは遺漏があることを発見した場合には、利害関係人は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍の訂正を申請することができる。