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大阪府堺市


updated 2005/03/23


平成16年第 5回定例会 / 性同一性障害を抱える人たちが普通に暮らせる社会環境の整備を求める意見書 (2004/09/22)

[ 平成16年第 5回定例会−09月22日-05号 ]

平成16年第 5回定例会

(前略)

┌────────────┐
△日程第八 議員提出議案第40号 性同一性障害を抱える人たちが普通に暮らせる社会環境の整備を求める意見書
└──────────────────────────────────────┘

○議長(高岸利之君) 次に、日程第八、議員提出議案第40号性同一性障害を抱える人たちが普通に暮らせる社会環境の整備を求める意見書を議題といたします。

 提案理由の説明を求めます。8番増栄陽子議員。

◆8番(増栄陽子君) (登壇) ただいま議題となりました議員提出議案第40号性同一性障害を抱える人たちが普通に暮らせる社会環境の整備を求める意見書について、提案会派などであります公明党堺市議会議員団、あたらしい風、田中議員、長谷川議員及びフェニックス民主議員団を代表して提案理由の説明を行います。

 なお、文案の朗読をもって趣旨説明にかえさせていただきます。

 昨年7月、国会で「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」が成立し、今年7月16日より性別変更が可能となった。しかし、実際に性別変更するには「現に子がないこと」など条件は厳しく、法が適用される当事者は限られている。

 「性同一性障害」とは、心の性(性自認:自分の性をどう認識するか)と体の性とに違和感があり、それが診断基準を満たした場合を言い、その数は1万〜10万人に1人と言われ、堺市にもこの問題に直面している市民がいる。1997年に日本精神神経学会によるガイドラインが定められて以降、外科的治療である性適合手術が国内の医療機関でも合法的に行われるようになったが、専門医は少なく、保険適用もないのが現状である。

 これらの諸問題は立法によってすべてが解決されるわけではなく、戸籍上の性別に関わらず、できる限り普通の日常生活や社会活動が可能となるように1日も早い社会環境整備が必要である。

 したがって、国及び関係行政機関に以下のことを早急に検討、実施されるよう求める。

                     記

1.「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」からの「現に子がないこと」の条項の削除。
2.公文書及び公的文書の性別記載の可能な限りの再考とあり方の検討。
3.就職差別、不当解雇、職場差別などの禁止。
4.治療の保険適用・対応医療機関の拡充など医療面での国の支援。
5.教育、医療関係従事者など性同一性障害にかかわる専門職の人々への研修。
6.セクシュアル・マイノリティ(性的少数派)といった多様な性を含む性教育の充実及び教育現場での理解。
7.当事者を含む社会に対する啓発、情報提供、相談機関の確保。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 以上、よろしくお願い申し上げます。

○議長(高岸利之君) 説明が終わりました。

 お諮りいたします。本件については、質疑、委員会付託並びに討論を省略いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。

   (「異議なし」の声起こる)

 ご異議なしと認めます。よって本件は、質疑、委員会付託並びに討論を省略することに決定いたしました。

 これより本件を採決いたします。本件は、原案のとおり可決することに賛成の議員の起立を求めます。

   (賛成者起立)

 起立多数であります。よって、本件は原案のとおり可決されました。

(後略)

平成16年第 5回定例会 (2004/09/08)

[ 平成16年第 5回定例会−09月08日-02号 ]

◆41番(服部昇君) (登壇)フェニックス民主議員団の服部でございます。久しぶりの大綱質疑でございまして、少し緊張しておりますが、ひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。私は、今期定例会に上程されました議案に関連をいたしまして大綱質疑を行わせていただきます。少し微妙な時間になっておりまして、昼に完結できるかどうかちょっとわかりませんが、ひとつよろしく、あわせてお願い申し上げたいと思います。

(中略)

 続きまして、ジェンダーフリー推進施策についてお尋ねをいたします。

 1975年の国際婦人年から国連婦人の10年を経て、1985年の女子差別撤廃条約の制定からはや20年、ジェンダーフリーの国際的なうねりの中、本市は常に我が国の男女平等政策をリードする形で前進してまいりました。よってあえて確認することもございませんが、揺るぎないジェンダーフリー推進施策をこれからも推し進める意味から3点についてお尋ねをいたします。

 まず、7月15日にNHKのおはよう日本で堺市が一部の申請書から性別欄を削除したとの報道があったことについてであります。この件につきましては、我々議員にも報告をいただいたところでございますが、性別欄削除に至った経過とセクシュアル・マイノリティーの人々の人権に対する堺市の考えをお示しください。

 次に、先般東京教育長が都立学校に対しジェンダーフリーにかかわる配慮事項や男女混合出席簿についての見解を示すなどの動きが報道されたことに関してであります。このことに関連して、本市教育委員会は、ジェンダーや男女混合出席簿についてどのように確認されているのか、そしてさらに今後ジェンダーフリー施策をどのように推進するのかをお聞かせいただきたいと思います。

(中略)

◎市民人権局長(宇都保靖彦君) ジェンダーフリー推進施策についてご質問のうち、堺市の申請書等の性別欄削除に至った経過とセクシュアル・マイノリティーの人々の人権についてどう考えるかという2点についてお答え申し上げます。

 申請書、通知書等から性別欄を削除した経過でございますが、堺市男女平等社会の形成の推進に関する条例第16条第1項の男女共同参画に関する苦情処理制度に基づき、性同一性障害を有する市民の方から申請書等に性別欄があるため窓口等で本人かどうか疑われたり、不審に思われるなどつらい思いをしているので、申請書等から性別欄を削除してほしいとの申し出がございました。

 このことから全庁的に現況を調査した結果、性別欄のある申請書等が501件ございました。この申し出を受けまして、堺市男女平等社会の形成の推進に関する条例及び堺市個人情報保護条例の趣旨を踏まえまして、第三者機関である堺市男女平等相談委員のご意見をいただきました。また、堺市男女共同参画推進委員会にも諮りまして、申請書等の性別欄について必要がないもの、あるいは必要性が低いと判断したものについては、性別欄を削除する方針を出したところでございます。

 これを受けまして各所管において検討した結果、51件の申請書等から性別欄を削除いたしました。これは運動広場やテニスコート等の申し込み用紙で性別欄を必要ないものと判断したものでございます。さらに平成18年度までには101件の申請書等から性別欄を削除する予定でございます。残りにつきましては法令等により必要であると判断したものであり、現段階では削除することはできないものでございます。

 次に、セクシュアル・マイノリティーの人々の人権についてでございますが、堺市男女平等社会の形成の推進に関する条例第3条第6号において、男女の性別にとどまらず性同一性障害を有する人、先天的に身体上の性別が不明瞭である人、その他のあらゆる人の人権についても配慮されるべきことと規定しており、これがセクシュアル・マイノリティーの人々の人権に対する基本姿勢と考えております。以上でございます。

◎教育次長(亀井靖夫君) 本市教育委員会のジェンダー及び男女混合出席簿についての認識についてお答えいたします。

 堺市男女平等社会の形成の推進に関する条例に基づく第3期堺男女共同参画プランにおいては、ジェンダーという言葉について定義を明らかにし、ジェンダーフリーという言葉を差別をなくすという意味で使っております。ジェンダーという言葉は、性や性別という従来の言葉では表現し切れない社会的性差を意味するものであり、男らしさや女らしさのすべてを否定するような意味合いのものではないと認識いたしております。

 男女混合出席簿につきましては、本市では幼稚園と小学校においては平成2年4月から、中学校においては平成3年から3年間かけて導入しております。この男女混合出席簿は女子差別撤廃条約の批准を受け、男女平等教育の観点から全国に先駆けて堺市が導入し、取り組んできたものでございます。その動きが全国に広がり、全国の男女平等教育の推進にも影響を与えたものだと認識いたしております。

 その後、本市では平成14年4月に堺市男女平等社会の形成の推進に関する条例が制定されております。今後もその趣旨を踏まえ、子どもたち一人一人がこれまでの固定化された男女の役割にとらわれず、その個性と能力を十分に発揮するとともに、あらゆる分野において男女が平等に参画できる男女平等社会の実現をめざし、男女平等教育に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。

◆41番(服部昇君) 議長。

○議長(高岸利之君) 41番服部昇議員。

◆41番(服部昇君) どうもいろいろな多岐にわたる答弁ありがとうございました。

(中略)

 ジェンダーフリーの推進施策につきましても、それぞれ市民人権局、そして教育委員会とお答えをいただいたわけでございますが、いささかも揺るぎのない明快な答弁をいただき、感謝申し上げておきます。市役所関連の申請書類の性別記載欄の削除については、膨大な確認作業であるにもかかわらず、全国に先駆けて遂行されたことは高く評価をいたしたいと思います。

 次に、男女混合出席簿につきましても全国で初めて導入したのは堺市でございまして、実はこの提言をされたのは堺市議会の初の女性副議長であった山口彩子さんであるのは、もうご承知やと思いますが、またジェンダーという言葉についても、男女を同一化するということでなく、セクシュアル・マイノリティーの方々も含めての各性の人権視座から、あえてこの言葉を使用する意義は、本市においては自明の理のはずであります。東京都教育長の見解や通達は国際的な人権の波に全く逆行していると、このような思いもあるわけでございまして、脱ジェンダー、すなわちジェンダーフリーは単に女性や男性の人権問題にとどまらず、平和への道筋であります。道筋の要素もございます。堺市におかれましては、木原市長とともに行政全体がこのことを理解し、ジェンダーフリー施策を今後も推進されますことを要望しておきたいと思います。

(後略)

堺市男女平等社会の形成の推進に関する条例 (抄) (2002/04/01施行)

第1章 総則

 (基本理念)

第3条 男女平等社会の形成は、次に掲げる事項を基本理念として推進されなければならない。

(1)〜(5) 略

(6) 男女の性別にとどまらず、性同一性障害を有する人、先天的に身体上の性別が不明瞭である人その他のあらゆる人の人権についても配慮されるべきこと。

(7) 略

  「堺市男女平等社会の形成の推進に関する条例(案)」に対する市民意見と市の考え方について


1 市民意見の募集について
  (1)募集期間  平成14年1月15日(火)〜29日(火)の15日間
  (2)市民説明会の開催
    平成14年1月21日(月) 午後7時 〜9時 
    堺市役所 高層館 20階 2001会議室
  (3)募集方法  ・条例(案)と意見募集用紙を下記にて配布
     (市役所の市政情報センター、各支所の市政情報コーナー、男女共同参画
     交流の広場(三国ヶ丘駅前)、男女共同参画推進課)
     また、堺市ホームページ上に掲載し募集。
 
・郵送・FAX・Eメールで市民意見を受け付けた。
  (4)意見総数    75 件


2 市民意見の要旨と市の考え方
  ○条例全般について
市民意見の要旨
市民意見に対する市の考え方
  • 平等社会ということで「参画」が抜け希薄になった。
  • 男女平等を規定しているすばらしい条例である。
  • 条例にそった施策が推進されることを期待する。
  • 条例(案)はよくできている。運用に当たり、充分啓蒙をして下さい。
  • 元来、男は男らしく、女は女らしくすべきであり、何も条例化する必要は全くなく反対します。
  • 目指す社会が「男女同権」なのか、「男女同質」なのか?主婦を否定するのか?「家庭重視」なのか「家庭廃止」なのか?を明確にし、再度市民に問うべきである。
  • 女性の差別をなくすことは結構だが、男女から性差による特徴を撤廃するものではないはず。条例(案)は、一貫して「性別」をも撤廃しようとしている。男女の生理的差異からくる能力・役割も無視している。
  • 努力の結果、よい条例ができたと思う。あとはより具体的な内容にしていってほしい。
  • 21世紀の「ひとが輝く市民主体の堺」とあるが、堺市民として条例成立を強く希望する。
  • このような条例が全国に増えていけば、男女平等社会の実現に役立つだろう。
  • 第2条1号の男女平等社会の定義で「あらゆる分野における活動に参画・・」としており、参画は男女平等社会の実現のための重要な課題としています。

 

  • 男女同質、家庭廃止を求めているのでは決してなく、男性にとっても、女性にとっても生きやすい個性と能力を十分に発揮することができる社会の実現をめざしています。

 

 

○前文について
市民意見の要旨
市民意見に対する市の考え方
  • 「日本国憲法を踏まえて」の文言をぜひ入れてほしい。
  • 平和の確立が男女平等の大前提であることを明記してほしい。
  • 堺市の地域特性の問題を指摘していた箇所が削除され、変質している。「短く格調高い」ことを先行させて具体性を欠いている。
  • 「男女が対等に参画できる」を「能力に応じて」に改める。
  • 平和の確立は、すべての人の人権を守る大前提です。また、日本国憲法は、日本の最高法規で、すべての法令の基礎となるものです。
  • 個人のもつ個性と能力を十分発揮することを妨げるものを取り除くことにより、「対等に参画できる」結果につながるものと考えています。
○定義(第2条)について
市民意見の要旨
市民意見に対する市の考え方
  • (1)の定義に共に責任を担うことが規定されているが、その結果の「男女が均等に政治的、社会的及び文化的利益を享受することができ」も明記してほしい。
  • (1)「機会」、「均等」という言葉はあるが、「平等」という言葉は記されていない。
  • (2)の「‥不利な状況にある性に対し、‥」の表現を評価します。
  • (3)を「本市内で事業を行うもので、その事業は公的か私的か、営利的か非営利的かを問わない‥」としてはどうか。
  • 目指す社会を男女平等社会としています。対等な社会の構成員としてあらゆる分野に参画していくことは、利益の享受も伴うものと解しています。
○基本理念(第3条)について
市民意見の要旨
市民意見に対する市の考え方
  • セクシュアルマイノリティの人権に触れていることを評価します。
  • (1)間接差別については、その解釈に合意ができていないのに入れるのはどうか。
  • (2)家族制度を否定することのないよう、家族の連帯感や継続性の意識を忘れてはならない。
  • (2)男女の特質を否定している。日本の伝統は継承されなければいけない。
  • (4)お互いに人格を尊重していれば、均等であることはない。
  • (5)自己決定権は、途上国と違い日本ではできているのに入れるのはどうか。
  • (5)内容が理解できない。
  • (6)「性的指向が異性にとらわれない人」とあるが、性的指向ではなく、まず人と人との関係性から入っていく。性的指向の次に「等」を入れてはどうか。
  • 全ての人の人権を大事にすることが重要なのに、(6)は、一部の人を浮き上がらせている。
  • (5)(6)など、市民のニーズを背景に考えられている、優れた先見性のあるものだと思う。
  • (4)(5)(6)について評価するが、(4)「‥均等に責任を分担‥」の均等にクレームをつけたり、(5)「‥自己決定が尊重されること‥」に抵抗する人がいるのが心配。
  • (1)男女共同参画社会基本法の「性別による差別的取扱を受けないこと」というのは間接差別をも含むというのが政府の統一見解です。この趣旨を明確にするため「間接的であると」という文言を置いています。
  • (2)基本法では、社会の制度や慣行が男女の社会における活動の選択に対する影響を中立なものとなるよう求めています。
  • (4)男女が、家庭生活と社会生活をバランスよく享受できる社会をめざします。
  • (5)カップルの間で性や生殖に関する意見が異なる場合は、妊娠や出産を行う当事者である女性側の意見がより尊重されるべきであると考えられています。
  • (6)「性的指向が異性にとらわれない人」は「その他のあらゆる人」と包括的表現に改めました。
    人権に関しては、男女の性別だけではなく、性同一性障害、先天的に身体上の性別が不明瞭な人などの存在についても配慮されるべきとの理念を表す規定です。


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