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TransNews Mail 号外No.1 2003/03/03
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長野県議会、去年12月の議事録がアップされました。
なお、全文はこちらで、検索することができます。
http://www.gikai.pref.nagano.jp/voices/
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平成14年 12月 定例会
平成14年12月11日(水曜日)
(前略)
◆13番(牛山好子 君)公明党県議団、牛山好子でございます。通告に従い、順次質
問をさせていただきます。
(中略)
次に、生まれながらの自分の性に強い違和感を持ち、別の性になりたいと悩む性同
一性障害を取り巻く問題について、知事並びに関係部局の所見をお伺いしてまいりま
す。
本年3月、プロの競艇選手が、この方は戸籍上は女性でありますが、性同一性障害
を理由として、名前を変え、男性選手として活動することを全国モーターボート競走
会連合会が発表し、大きな話題となりました。
また、昨年放映されました人気テレビドラマ「3年B組金八先生」でも取り上げら
れたテーマの中にこの性同一性障害に絡む問題があり、ごらんになった方もいらっ
しゃるのではないかと思います。
さらに、東京都小金井市の稲葉孝彦市長は、11月4日の議会での質問に答えて、性
同一性障害の方たちへの配慮から、印鑑登録証明書からの性別記載をやめることを明
らかにし、また、可能な限り市の行政文書から男女の記載をやめる方針を明言いたし
ました。
ほかにも、最近ではテレビや新聞、出版物などさまざまなメディアで報じられてお
りますので、この問題をめぐり数多くの話題が提供されるようになりました。
性同一性障害について、社会での認知が少しずつ広まりつつあります。しかし、ま
だ誤解あるいは無理解が存在することも事実です。そして、そのために、社会生活上
さまざまな差別、制約を受けているのが現状です。
生活の中で言えば枚挙にいとまがありませんが、例えばこのような方がトイレを使
用するときに、男性用、女性用どちらを使用すればいいのか。おふろ屋さんに行った
ときに、どちらに入るのか。あるいは、入院したときの病室は、男性の部屋なのか、
女性の部屋に入るのか。さらに、戸籍や住民票の性別記載によって、就職をすると
き、あるいは住居を借りるとき、学校への入学、パスポート、国民の権利である選挙
権でさえ行使しにくい、そのような状況がございます。
その上、医療面では、専門医は極めて限られ、保険適用もなく、経済的にも負担が
大きいとされております。
性同一性障害の方々にとって大変生きにくい社会となっており、うつ状態、引きこ
もりになる人も多く、みずから命を絶つ人も少なくないと聞いております。
日本では、97年に日本精神神経学会によるガイドラインが定められてから、外科的
治療の性別適合手術、いわゆる性転換手術が合法的に可能となりました。翌98年に
は、正当な医療行為として初めて埼玉医科大学で手術が行われました。以来、5年
たった今、手術は21例が報告されております。また、埼玉医大だけでも260人の方が
この手術を待っているという状況だそうでございます。
この手術は、マスコミでも大きく取り上げられました。多くの識者のコメントが紹
介されましたが、その中に次のようなものがございました。性科学の村瀬幸浩一橋大
学講師のコメントでございます。このたびの性転換手術は、人間の性は男と女という
単純な二分論では割り切れないものであって、従来の範疇に入り切れない子供たちが
いることを教師が認識するきっかけにもなり、朗報だ、性の問題は人間のアイデン
ティティーの、そして人権の問題である、手術を興味本位でとらえるのではなく、具
体的な悩みを相談されることが多い保健室の養護教諭、教師らが生徒とともに学び
合っていく姿勢が必要だというものです。
また、11月7日、参議院の法務委員会で浜四津委員の質問に答え、法務省として、
戸籍の性別の変更について、現在では性同一性障害を理由に戸籍の性の変更はできな
いが、関係機関と連携の上、真剣に検討していきたい旨の答弁がございました。
また、一方、長野県内の性同一性障害の当事者は推定で100人から200人と言われて
おります。そのうち、重症な、性適合手術を望む方々は20人から30人と予想されてい
ます。
私がこの問題を取り上げるきっかけとなったそのうちのお一人がIさんという方で
ございまして、Iさんは、戸籍上、身体的には男性ですが、精神的には女性という方
です。4歳のころから男性である自分の身体に違和感を持ち続け、女性としての心の
性との間で大変な葛藤を繰り返しながら生きてこられたそうです。38歳のときに埼玉
医大で性同一性障害の診断を受け、それまでの得体の知れない焦燥感から解放された
と言われました。
二度ほどお目にかかり、3時間、4時間と話し込みましたが、深い苦悩をくぐり抜
けて、今は同じ悩みで苦しんでいる人たちのために力になりたいという彼女の熱意で
ございました。
以下、この問題について質問させていただきます。
初めに、性同一性障害の正しい認識と理解が求められておりますけれども、この問
題について知事の御所見をお伺いいたします。
性教育を人権という視点で考えると、当然、性の少数派についても学ぶことが必要
となります。セクシュアルマイノリティーを含む性教育の充実について、教育現場で
はどのようにとらえられているのか。
また、学校の教師など、この性同一性障害についても教育関係者の研修を図るべき
と考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。
例えば、選挙投票用紙の入場券の通知文や印鑑登録証明の書式等に性別記載が必要
ですが、可能な限り行政文書の不必要な性別記載を削除することが望ましいと思われ
ますが、県の見解について、今総務部長がいらっしゃいませんので、兼任であります
阿部副知事にお伺いいたします。
県内には、この方たちに対応できる医療機関や医師がおりません。県における相談
窓口の設置とともに、担当する職員の研修が望まれております。また、ジェンダーク
リニックの設置などについて、衛生部長の御所見をお伺いいたします。
(中略)
以上で第1回の質問を終わります。
〔知事田中康夫君登壇〕
◎知事(田中康夫 君)ただいまの牛山議員の御質問に順を追ってお答えを申し上げ
ます。
(中略)
性同一性障害に関しての御質問の部分でございます。
議員も十分高い認識をお持ちでいらっしゃいますように、性同一性障害という言葉
が知られるようになったのは、平成10年に埼玉医大で国内初の性転換手術が行われて
以降でございまして、残念ながら、いまだ社会的な理解が広く進んでいるとは言えな
い状況かと認識しております。
他方で、性同一性障害の方々が職場や地域において多くの問題や悩みを抱えながら
暮らしていらっしゃるということは承知しているところでございます。今、議員も幾
つか御指摘がありましたように、更衣室やトイレや入浴など日常の問題を初め、中に
は、その周囲の家族に対する言われなき偏見から住みなれた地域から引っ越すことを
余儀なくされた方もいらっしゃると伺っております。
いずれにいたしましても、県民一人一人が、性同一性障害にとどまらず、さまざま
なマイノリティーの人々に対する理解を深めていく必要があると、このように考えて
おります。
(中略)
〔衛生部長菅谷昭君登壇〕
◎衛生部長(菅谷昭 君)お答え申し上げます。
(中略)
次に、相談窓口やジェンダークリニックの設置に関するお尋ねでございますが、性
同一性障害でお悩みの方は、文献的には、男性では3万人に1人、女性では10万人に
1人と言われております。ただ、この場合、性別に違和感を覚える程度の軽い症状の
方まで含めると、先ほど議員御指摘のとおり、県内においてかかる悩みを抱える方は
意外に多数存在するものと推測されます。
それゆえに、まずは性同一性障害に対する正しい理解と認識を深めていくことから
取り組んでまいりたいと考えております。そのために、手始めといたしまして、本障
害に詳しい医師や専門技術を生かして生活している当事者らを講師に招き、今後、相
談業務に携わる職員を初め関係職員に対する勉強会から実施してまいりたいと考えて
おります。
次に、ジェンダークリニックでございますが、障害を持つ方々のために数多く設置
されるということが望ましいと考えておりますが、先ほど御指摘のとおり、全国的に
いまだ埼玉医大と岡山大学など数カ所に設置されているのみであり、専門医も全国で
5人程度と極めて少ないことから、まず専門医の養成が図られることが必要でありま
すので、国へも要望するとともに、性同一性障害への理解を深めてまいりたいと考え
ております。
以上でございます。
(中略)
〔教育長職務代理者・教育次長瀬良和征君登壇〕
◎教育長職務代理者・教育次長(瀬良和征 君)セクシュアルマイノリティーを含む
性教育の充実等についてのお尋ねでございますが、学校における性教育は、児童生徒
の豊かな人間形成を究極の目的としておりまして、人間の性を人格の基本としてとら
え、児童生徒が、生命尊重、人間尊重、男女平等の精神に基づきまして、みずから考
え、判断し、意思決定の能力を身につけて望ましい行動がとれるようにすることにあ
りまして、保健の学習を中心に、社会、理科、家庭などの関連教科や道徳、特別活
動、総合的な学習の時間など、学校の教育活動全体を通じて行っております。
学校では、出会い系サイトなどによる性に関する逸脱行動や性被害、あるいは本県
でも増加が懸念されております性感染症、望まない妊娠といった、解決しなければな
らない現実的な問題に加えまして、御指摘がありました性同一性障害を含むセクシュ
アルマイノリティーについても、今後の新たかつ重要な課題として取り組んでいく必
要があると認識しております。
県内の具体的な事例といたしましては、性同一性障害の生徒に対しまして、家庭や
医療機関と連携をとりながら、友人の支援をいただくとともに、職員の共通理解を図
り、相談体制を確立するなど、適切な対応がなされました結果、本人はつらい思いを
せず、夢や希望を持って卒業していくことができたと聞いております。
この事例からも、個人の個性や人権を尊重した適切な対応がいかに大切であるかと
いうことがわかるところでございます。
そこで、保健主事や養護教諭を対象に開催している性教育研修会や、現在進めてお
ります性教育に関する手引書作成を目的とした性教育を検討する委員会におきまし
て、セクシュアルマイノリティーについて理解を深め、検討を行うことが必要である
と考えております。
さらに、児童生徒が悩みを解決できるような環境づくり等を、校内や校外の協力体
制のもとに、充実を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
〔副知事阿部守一君登壇〕
◎副知事(阿部守一 君)性同一性障害に関するお尋ねの中で、行政文書の性別記載
についてのお尋ねに関しましてお答えを申し上げます。
県へ提出していただきます書類、あるいは県が作成する文書の記載事項につきまし
ては、お尋ねの性別記載も含めまして、文書を作成する目的、機能等を勘案してその
内容を決定しているところでございます。
県にかかわります文書の記載事項につきましては、私ども行政というのは公権力を
行使するという立場もあるわけでございますので、できる限り不必要な記載をなくす
べく、常に新たな視点から見直すことが必要であるというふうに考えております。
性同一性障害の方々の視点を含めて、また、いろいろな視点、例えば男女共同参画
の視点とか、いろいろ他の考慮すべき視点もあろうかと思います。今日的な視点で不
必要な記載事項がないか、改めて検討してまいりたいというふうに考えております。
なお、できる限り不必要な記載をなくしていくという視点は、県だけにとどまら
ず、行政機関全体にとって重要なことというふうに考えております。事務研究会など
の機会をとらえまして市町村への注意喚起も図りながら、御質問にございました投票
所入場券あるいは印鑑登録証明、こういったものは市町村の事務ということでござい
ますが、こうしたものにつきましても、どのような項目を記載していくのが適当であ
るのか市町村とともに研究してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
(後略)
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#なお、13日の本会議でも、望月雄内議員が少しだけですがGIDに触れています
#
平成14年 12月 定例会
平成14年12月13日(金曜日)
(中略)
◆28番(望月雄内 君)政信会を代表いたしまして、長野県男女共同参画社会づくり
条例案に対する賛成の討論をいたします。
(中略)
生まれながらにして自己の肉体的性と精神的性が合致しない疾病としての性同一性
障害の方々への配慮が当条例制定調査会において話し合われたことは、さまざまに悩
みや困難を抱えているあまねくすべての人が、男、女という前に、人間としてお互い
を尊重し合い、そのよさを認め合い、協力をしながら、もってそれぞれの能力を十分
発揮して社会に貢献できる、温かな、伸びやかな、明るい長野県を目指すという、こ
の条例の根底に流れる精神を確認した好例であったと評価しております。
全国で3例目となります議員提案によるこの条例を制定することで、その本旨が広
く早く全県を覆い、私たちが求める男女共同参画社会が一日も早く到来することを願
い、また、田中知事の2期目の公約にも審議会委員の女性比率が平均50%に達するよ
う努めるとありますが、各種委員会等においても、公約の趣旨、そして条例にある県
の責務としての努力が成果を生むことを期待して、長野県男女共同参画社会づくり条
例案に賛成の討論といたします。
(後略)
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牛山好子(公明党・松本市・当選2回)
http://www.pref.nagano.jp/gikai/gisoumu/giininfo/giin1501.htm
http://www.matsumoto.ne.jp/user/ushiyama/
望月雄内(政信会・南安曇郡・当選3回)
http://www.pref.nagano.jp/gikai/gisoumu/giininfo/giin0903.htm
http://www.jimin-nagano.jp/ken/mochizuki.html
田中康夫・長野県知事
http://www.pref.nagano.jp/hisyo/governor/governor.htm
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2003/03/03
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