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東京都昭島市
updated 2003/12/18
市議会2003年9月定例会会議録 (2003/09/03)
平成15年 9月 定例会(第3回)-09月03日−02号
(前略)
○議長(中島幹夫議員) 次に、21番 木村議員。
(21番 木村国秋議員 登壇)
◆21番(木村国秋議員) おはようございます。一般質問をさせていただきます。
ただいま議長の御指名をいただきましたので、通告に従いまして、順次一般質問をさせていただきます。
私の一般質問は、大きく分けまして、3つございます。1つは、効率的で健全な財政運営について、2つ目は、すべての市民が安心して暮らすことができる社会の実現について、3点目につきましては、市民生活の安心・安全の確保についてでございます。
(中略)
すべての市民が安心して暮らせることができる社会の実現についてお伺いいたします。
まず1点目としまして、性同一性障害特例法が成立をし、性同一性障害への正しい認識と理解が一層求められると考えますが、この取り組みについてお伺いいたします。
性同一性障害者の性別取扱特例法が7月10日、衆議院本会議で全会一致で成立いたしました。本法は、生物学的な性と本人が自覚する性が一致しない性同一性障害者に対しまして、家庭裁判所の判断により戸籍上の性別変更を認めるものであります。その要件としましては、1つには、20歳以上であること。2つ目には、結婚をしていないこと。3つ目には、子どもがいないこと。4つ目には、生殖腺の除去などで生殖が不能の状態などの要件を満たした場合に、家庭裁判所に性別変更の審判を請求できるというものであります。
現行の戸籍法におきましては、戸籍に記載された性別の変更は困難なため、性同一性障害者は社会生活の上で身分照会を求められる際に、精神的な苦痛とともに就職などで不利益を受けることが多くあり、早急な立法処置が求められていました。同特別法の成立によりまして、これまでなかなか光が当たらず、政治に取り上げられてこなかった性同一性障害者の人権が認められることになりました。
そこでお伺いいたしますが、1としまして、これまで性同一性障害者が抱える悩みは、マイノリティー(少数派)の人権問題でありましたが、社会の認知を進展させ、社会的差別を撤廃させていくために、性同一性障害に対する正しい認識と理解が求められることになります。行政として理解を深める取り組みをすべきと思いますが、この点についてお伺いをいたします。ちなみに、他市の例でありますが、市民に正しい知識を持ってもらうために、啓発冊子を来年度作成する方針を打ち出している市もございます。
2といたしまして、公的書類からの不必要な性別欄の撤廃に取り組むべきと思いますが、昭島市は特例法成立前に既に選挙の投票場入場はがきの性別欄の削除を実施しております。先進的に取り組んでいることから評価するところでありますが、公的文書からの不必要な性別欄の削除の取り組みについても積極的に着手すべきと思いますが、この点についてお伺いをいたします。
なお、同じく他市の例としまして、新潟市は市の申請書、証明書など数百種類を対象に、性別欄が不要なものについて、それを削除するための検討を進めている、このような例があります。具体的には、各課で性別欄の要・不要を調査、検討し、結果を年度内にまとめるという予定になっております。
3点目といたしまして、職員の研修にこの性同一性障害を盛り込むことが、より理解を深めることになると考えますが、その取り組みについてもお伺いいたします。
4としまして、小・中学校におきまして、性同一性障害について正しい認識と理解を深めることに努めることが、やがて社会全般への理解の促進になると考えますが、この点についてもお伺いをいたします。
(中略)
○議長(中島幹夫議員) 新藤保健福祉部長。
(新藤保健福祉部長 登壇)
◎新藤保健福祉部長 すべての市民が安心して暮らせることができる社会の実現について、1点目、性同一性障害者特別法が成立したことによる取り組みについて御答弁申し上げます。
性同一性障害は、体と心の不一致に悩む障害でありまして、名前を変更しても性転換手術を行っても戸籍の性別が変えられないため、外見との落差からさまざまな生活上の困難を抱えている状況があります。こうした性同一性障害については、本年7月16日に、戸籍の性を変更することができる性同一性障害者の性別取扱特別法が国会で成立したところであります。ただ、御質問にもありましたとおり、この特例法には厳しい条件があり、性転換手術をしていることなど5つの要件を満たした場合、家庭裁判所の審判を経て新たな性に基づく新戸籍が編成されることになります。また、法律は来年7月からの施行でありまして、施行後3年をめどに施行状況やその社会的環境の変化を踏まえて再検討することが盛り込まれております。
御質問の昭島市の取り組みについてでございますが、性同一性障害者の特例法が制定されたことは、社会の認識を変えるスタートであると考えております。法律の施行状況を踏まえながら、基本的人権尊重の立場から、性同一性障害者が正しく理解されるよう啓発の取り組みを進めてまいります。
次に、市において公文書から不必要な性別欄を削除することについてでありますが、特例法の成立を受け、厚生労働省から性別扱いのガイドラインが出る予定でありますので、市におきましても、国の状況を見ながら対応してまいりたいと考えております。また、各課で保有する書類につきましては既に性別欄の見直しをしておりますが、ガイドラインを見て再度点検を図ってまいりたいと考えております。
次に、市民だけではなく職員にも理解してもらうための研修についてでありますが、職員に対し、性同一性障害への正しい理解と認識を深めるとともに、人権意識の高揚を図るため、特別研修の実施に向け、今後検討してまいります。
次に、学校教育の中で、小・中学生に理解を深めてもらうことにつきましては、道徳教育として、基本的人権尊重についての教育を行っているところでありますが、改めて特例法が成立したことを周知してまいります。
(中略)
○議長(中島幹夫議員) 21番 木村議員。
(21番 木村国秋議員 登壇)
◆21番(木村国秋議員) ただいま一定の御答弁をいただきました。大変にありがとうございます。伺った中で、何点かちょっと理解というか、わからない点があったものですから、御質問させていただきます。
(中略)
それから、性同一性障害についてお話をいただきました。お聞きした中で、他市の例ということで、正しい認識と理解を深める取り組みとして、他市は啓発冊子を導入しておりますよということをちょっと御提示させてもらったんですが、当市としては、そういった具体的な取り組みをされたらいかがでしょうかと思うんですが、それについて再質問させていただきます。
公的書類からの不必要な性別欄の撤廃については、既に取り組まれているということですので、これはぜひよろしくお願いいたします。
それから、私、職員の研修に同障害についての項目を設けていただきたい、いわゆる定例的に行われている研修というふうにとらえて、その程度かなと思ったんですが、特別研修まで考えていただいていると。これは大変にありがたいな。ぜひ実施していただきたいと思います。
小学校における認識と理解を深めることについては、前回も全く同じ御答弁だったんです。これが一定の限度かなと。やはり流れを見ながら、小・中学校の生徒というのは大変に好奇心が強いです。そんなわけで、正しい知識、正しい理解をぜひ早いうちから提供していくということが、すごく今後の、やがて大人になっていく子供たちですので、社会全般にとっても必要なことだと思いますので、これについてはぜひよろしくお願いします。真剣に取り組んでいただきたいと思います。要望させていただきます。
(中略)
以上です。2点ほど質問しましたけれども、よろしくお願いいたします。
(中略)
○議長(中島幹夫議員) 新藤保健福祉部長。
(新藤保健福祉部長 登壇)
◎新藤保健福祉部長 性同一障害について、冊子をつくるという御質問をいただきましたけれども、冊子については現段階では予定しておりませんけれども、ホームページ「福祉のひろば」への掲載、また保健だより等で掲載してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
(後略)
市議会2003年3月定例会会議録 (2003/03/06)
平成15年 3月 定例会(第1回)-03月06日−04号
○議長(桜岡蔵之輔議員) 日程第1 一般質問 を行います。
順次質問を願います。初めに、15番 木村議員。
(15番 木村国秋議員 登壇)
◆15番(木村国秋議員) おはようございます。議長の御指名によりまして、通告に基づいて順次質問を行わせていただきます。
私の質問は、市民生活の安全対策、行財政改革について、人が安心して幸せに暮らすことができるための身近な行政について、3項目についてお伺いいたします。
(中略)
3点目に、性同一性障害についてお伺いいたします。
最近、社会問題として注目されております性同一性障害は、心の性と体の性が一致しないため、そのギャップに苦しむ病気と言われています。その原因については解明されていませんが、心理社会的要因とともに、生物学的要因として、胎児期の性ホルモンの脳への作用が十分でなく、脳の性が出生後の性の発育や性行動に大きく関与すると指摘されております。アメリカの統計によりますと、男性から女性には3万人に1人、女性から男性には10万人に1人と言われております。日本の患者数は2000人から7000人程度と推測されておりますけれども、性同一性障害として医療を受けていない人、あるいは苦しんでいながら表面的には伏せている人などを推測いたしますと、その数は10倍以上になると言われております。
日本では1997年に日本精神神経学会によるガイドラインが定められてから、外科的治療の性別適合手術が合法的に可能になりました。翌年の1998年には初めての正当な医療行為として埼玉医科大学で手術が行われました。しかし、それから4年経過して、現在までの手術は21例が報告されているにすぎない状況であります。そしてその多くは諸外国で手術を行っております。それは、さまざまなリスクが日本の医療行為に課せられているからであります。
性同一性障害のための不当な解雇、公的書類が必要なために正職につけない、また職場での嫌がらせがあるほか、医療の面でも専門医は限られ、保険適用外など経済的負担も大きく、戸籍の訂正以前の問題でも、社会でさまざまな不利益、差別を受けています。当事者の方々は、「私たちは特別なことを求めていません。ただ、普通の暮らしがしたいのです」と言っております。憲法第13条個人の尊重は、「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大限の尊重を必要とする」とうたっています。誰びとにも幸福追求権があるということであります。
人が安心して幸せに暮らせるための身近な行政として、性同一性障害を抱える人々を市長はどう認識し、理解されておられるのか、御意見をお聞かせください。
次に、ただいま申し上げましたように、だれもが普通に暮らせるような昭島市にするために社会環境整備が必要であると考えます。印鑑証明書に性別記載があるために就職ができないとか、家を借りることができないということがあるということであります。また、性別が記載されている選挙用通知はがきを使用できずに、投票所に行けなかったり、ひどいときには投票所で本人と確認できずに投票できないといったケースもあったそうです。これは昭島市ではありませんが。
印鑑が正しいかどうか証明する印鑑証明書や、選挙用通知はがきに性別記載は果たして必要でしょうか。私はほかの行政文書も含め、可能な限り性別記載を削除していくべきであると思いますが、市のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
以上で、1回目の質問を終わります。
(中略)
○議長(桜岡蔵之輔議員) 原野市民部長。
(原野市民部長 登壇)
◎原野市民部長 御質問の3点目、性同一性障害についての第1点目、行政としての認識と理解について御答弁申し上げます。
御質問にもございましたように、この世では男性と女性という2つの性しか存在しないわけでございますが、実際には心の性と体の性とで違いがあることにより、トイレや公衆浴場等の利用、病院、とりわけ婦人科の診療、住宅の借り入れ等など、社会生活の中でさまざまな支障が出ているところです。保険証や住民票、選挙の際の入場券、パスポートなどに性別が表示されておりますが、この表示が実際の外見と違うことから不審がられ、あるいは説明を求められ、それが心理的に負担となり、中にはうつ状態となる人もいるとのことでございます。極端な事例といたしましては、男性として採用された社員が女装して出勤したとして、解雇問題にまで発展した事例があると伺っています。
この性同一性障害に対し、ヨーロッパ諸国では法的に性の変更が可能となっている国があり、例えばスウェーデン、イタリア、ドイツでは特別法で対応し、フランスやスペインでは裁判所の判決に基づき、出生証書の性別記載の訂正が認められているようです。我が国においては、訴えに対しこれまで10件ほどの司法判断が行われたようですが、性別の訂正が認められたのは1件のみで、他は戸籍訂正は立法にゆだねるべきとの判断にとどまっているのが現状です。
性同一性障害が提起する問題については、国民全体に偏見をなくし、理解を深める広報活動が必要と思いますが、特別法を制定するなど、法的にも整備していくことが必要と認識しているところです。
次に、2点目の印鑑証明など行政文書に不要な性別記載を削除すべきについて御答弁申し上げます。
性同一性障害を抱える人たちが普通に暮らせる社会環境の整備が問題になってきている中で、行政文書に不要な性別記載の削除を検討する自治体が出てきています。本市における印鑑登録及び証明については、総務省通知による印鑑登録・証明事務処理要領に基づき昭島市印鑑条例を定め、必要事項として男女性別の事項を記載するものとしています。行政文書の記載事項については、法令あるいは国などからの通知に基づくもの、あるいは市が独自に定めるものがありますが、御質問の行政文書に不要な性別記載の削除につきましては、関係機関などとも連携を図る必要があることから、慎重に対応してまいりたいと考えています。
また、選挙時に有権者に郵送する投票所入場整理券の性別記載については、性同一性障害の方への配慮及び法令上の規定、事務処理面などから検討した結果、削除が可能でありますので、4月の統一地方選挙から性別の記載を行わないこととしておりますので、御理解をいただきたいと存じます。
○議長(桜岡蔵之輔議員) 15番 木村議員。
(15番 木村国秋議員 登壇)
◆15番(木村国秋議員) ただいま1回目の御答弁をいただきました。何点か質問とそれから要望をさせていただきます。
(中略)
3点目なんですが、大変に難しい問題に取り組んでしまったなという私、性同一性障害。調べてみますと、私どももよく知らなかったんですが、大変に厳しい状況にある方が確かにいらっしゃいます。このことは、行政でできることはやはりすべてやっていかなくちゃいけないんじゃないかと、そういう感を私、受けました。それで、実は先ほど部長の答弁の中で、例えば戸籍の変更等につきましては、出生のときに男女という性別を削除するとか、またそういったことについては法律を変えなくちゃいけない、これはよくわかります。でも、このことにつきましては、昨年の11月7日なんですが、衆議院の法務委員会の人権擁護法案の中で審議されております。国会の中でも論議がだんだん深まっておりますので、これを待てばいいんですが、市の方でできることといたしましては、印鑑証明、これはやっぱり印鑑証明書に、印鑑証明の印影が正しいかどうかを調べるため、男女ということは全く必要ないんじゃないかと私は思います。そんなわけで、印鑑証明につきまして、そのことを削除している自治体も現実に存在しております。名古屋でありますとか、小金井でありますとか、また埼玉県の新座市でやっています。と同時に、そのことに踏み込まないで、できてない市も大半でございます。
そんなわけで、例えば旧自治省の印鑑登録証明書事務処理要領、これについての取り扱いについての解釈か、取り組みの考え方が違うのか、どうも分かれているように思います。この点につきましては、やはり市の方としても、印鑑証明そのものにつきましてはぜひ研究を深めていただいて、していただきたい。また、それについて一つの、性同一障害者に対しての何らかの、印鑑証明書その本体ですね−−についてできるように、ぜひ調べていただきたいと思います。これは要望しておきます。
市としてできることといたしましては、今、市には当然、昭島市印鑑条例というのがあると思います。その中で、印鑑証明書が難しければ、印鑑証明書を申請する申請用紙はどうか。窓口へ来まして、性同一性障害のある方が申請をしたとき、そこに男、女と書いてあることによりまして、やはりそのことを疑われたり、またその人の人権まで侵害されるようなことがありますと大変な問題になります。そういう意味において、印鑑証明書の申請について市の方で配慮いただけないかどうか、これについては質問をさせていただきます。
今、選挙用の通知はがきについては既に4月から実施をしていただけるということでありますので、これについては大変に前向きでよろしいかなと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
それからもう1点、性同一性障害者、この問題については大きな社会として注目されている課題でございます。性教育を人権という視点でとらえてみますと、大変に小さな問題でありますけれども、やはり学んでいかなくちゃいけないのじゃないかと思いますので、教育委員会については、この認識をさらに強く持っていただくために、現在教育の現場ではどのように行われているのか。あるのかないのか。あるとしたら、どのようにとらえているのか、それについてお伺いしたいと思います。
以上で、2回目の質問を終わります。よろしくお願いいたします。
(中略)
○議長(桜岡蔵之輔議員) 原野市民部長。
(原野市民部長 登壇)
◎原野市民部長 印鑑証明について、2回目の御質問をいただきました。印鑑登録及び証明に関する事務につきましては、先ほど御答弁させていただきましたように、総務省通知に基づいた事務作業の中で取り組んでおりますけれども、申請書につきましては性別記載をなくしている市もございますので、関係機関とも協議をする中で検討してまいりたいと考えます。
いずれにいたしましても、差別や偏見を持たずに接することが大切でございますので、人権尊重の立場から、行政にかかわる職員一人一人の意識が必要であると、このように思っております。よろしくお願いいたします。
○議長(桜岡蔵之輔議員) 木戸学校教育部長。
(木戸学校教育部長 登壇)
◎木戸学校教育部長 性同一性障害に関して、学校教育ではどうなっているのかとの御質問でありますけれども、小・中学校における人権に関する教育につきましては、もちろん教育全般を通して行われておりますが、教科といたしましては、道徳の時間に行われております。学習指導要領では、小学校、中学校とも他人とのかかわりに関することや、集団や社会とのかかわりに関することの中で、男女は互いに異性について正しい理解を深め、相手の人格を尊重する。それぞれの個性や立場を尊重し、いろいろな物の見方や考え方があることを理解して、謙虚に他に学ぶ広い心を持つ。正義を重んじ、だれに対しても公正、公平にし、差別や偏見のない社会の実現に努めるなど、指導内容が示されております。
また、小・中学校における性に関する教育につきましては、小学校においては体育科の保健領域において、「育ち行く体と私」という項目が設けられており、体の発育、発達についての一般的な現象についての理解や、思春期の体の変化などについて理解できるようにすることをねらいとしております。また中学校においては保健体育の保健分野において、「心身の機能の発達と心の健康」という項目の中で、異性の尊重、性情報への対処など、性に関する適切な態度や行動の選択が必要となることを理解できるように指導することとされております。
このように学習指導要領に沿って、子どもたちの発達段階に応じた指導が行われておりますが、御質問の性同一障害についての学習は、市の小・中学校では取り上げられているとは伺っておりません。しかしながら、御質問の趣旨につきましては学校側にお話をさせていただきたいと存じますので、御理解を賜りますようお願い申し上げます。
(後略)