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東京都八王子市


updated 2003/12/11


2003年第3回定例会会議録 (2003/09/08)

     平成15年八王子市議会会議録第13号

◎9月8日月曜日(第1日)

(前略)

◎【市川潔史副議長】 次は、第6番、村松徹議員。

                   〔6番議員登壇〕

◎【6番村松徹議員】 公明党の村松徹でございます。発言通告に従って一般質問を行います。

(中略)

 次に、性同一性障害に対する本市の対応について伺います。

 本年7月10日、衆議院本会議におきまして、与党3党による議員立法、性同一性障害者の性別取り扱い特例法が全会一致で可決し、成立いたしました。性同一性障害者に対し、家庭裁判所の判断により、戸籍上の性別変更を認める法律であり、公布から1年後に施行される予定となっております。

 性同一性障害は、精神的にも肉体的にも正常な人が、自分はどの性に属しているかを明確に認知しながら、人格的には自分の性が別の性に属していると自覚している状態です。治療法としては、自己意識と一致する性別に体の性別を合わせるように、ホルモンを投与したり、それでも違和感が解消しない場合、性転換手術、性適合手術が行われています。

 1998年には、日本精神神経学会の性同一性障害に関する答申と提言に基づく診断基準と治療に関するガイドラインに沿い、埼玉医科大学で国内初の性転換手術が行われました。以来、現在までに性転換手術は20数件に上っています。

 性同一性障害者は男性で3万人に1人、女性で10万人に1人の割合で存在するともいわれ、国内の推定患者数は約2,600人と報告されています。しかし、実際にはその10倍以上と想定されています。

 生物学的な性と、本人の自覚する性が異なることは、これまでさまざまな問題を生んできました。例えば、性転換手術を受けた場合、家庭裁判所で戸籍上の名前の変更は認められているものの、性別記載の変更は認められませんでした。現行の戸籍法第13条では、戸籍上の性別記載の変更の許可は困難というのが司法の判断であったからです。

 性同一性障害者は、結婚、パスポートの申請、使用、選挙の投票など、基本的な権利の行使にさえ支障を来し、性別を記載している住民票の提出ができない、就職も難しいなど、社会の差別や偏見、無認識のため、精神的に大変な苦痛を余儀なくされてきました。私も最近、性同一性障害者の声を聞く機会を得ました。テレビドラマ「3年B組金八先生」第6シリーズの中で、上戸彩さんが演じる性同一性障害を持つ鶴本直という生徒が登場しますが、そのモデルとなった作家の虎井まさ衛さんなど、当事者の方たちの話を公明党の学習会で伺ったものです。今回の性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律は、虎井さんのような当事者たちにとっては、ことし急にでき上がった法律ではなく、10数年にも及ぶ努力が実ったものであることを思い知らされました。

 しかし、せっかく成立した同法も、戸籍上の性を変える際に5つの条件を課しており、これが性同一性障害の当事者たちにとって新たな悩みとなっております。すなわち、20歳以上であること。現に婚姻していないこと。現に子がいないこと。生殖腺がないこと。または生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあることなどで、特に、現に子がいないことというのは、日本にしかない条件であり、戸籍上の性を変えることができる人は非常に限られているのも現実のようです。

 3年後の同法の見直しに向けて当事者らは、こうした条件の撤廃に働きかけていく意向を示していますが、性同一性障害者に対する配慮、支援策として、自治体にできることもあります。それは行政公文書からの不要な性別欄の排除であります。中でも印鑑登録証明書、印鑑登録証明書交付申請書の性別欄は、印そのものが正しいことを証明するためのものであり、男女の記載は不要と考えられます。また、選挙の際の投票所への入場はがき、入場整理券、図書館利用の申請書などについても、性別欄は不要と判断され、実際に削除に踏み切った自治体も出始めております。マイノリティーの人たちの人権を尊重する中に、人権に対する取り組み姿勢があらわれると考えるものです。

 性同一性障害に苦しんでいる人たちへの対応として、本市におきましても公文書における不必要な性別欄の廃止を可能な限り速やかに、可能な限り広範囲にわたって検討すべき時期に来ていると考えるものです。所管の考えを聞きたいと思います。

 以上で1回目の発言を終わります。

(中略)

◎【市川潔史副議長】 総務部長。

◎【下田豊総務部長】 公文書の性別欄に関してお答えいたします。

 市で取り扱っている公文書の中で、性別の記載を求めておりますのは、法令上、記載を求めるもの、国や東京都の事務上、記載を求めるもの、また本市の事務処理上の必要から記載を求めるものなどがございます。御質問の中にありました印鑑登録証明書交付申請書、印鑑登録証明書につきましては、既に削除する方向で検討を開始しているところでございますが、その他の申請書、届出書等の公文書につきましては、今後、性別記載がなくても支障が生じないかどうかの観点から、その取り扱いについて検討を進めていきたいと考えているところでございます。

◎【市川潔史副議長】 第6番、村松徹議員。

                   〔6番議員登壇〕

◎【6番村松徹議員】 種々答弁をいただきました。

 性同一性障害者に対する公文書からの不要な性別欄排除につきましては、ただいま所管の方より、印鑑証明に関しての一歩前進ともとれる答弁を得ることができ、一定の評価をするものでございます。ほかにも性別欄の要らない公文書がないかどうか、今後も検討を続けるように要望するものです。現実に投票所の入場はがきにつきましては、小金井市や埼玉県の新座市の前例もあります。また、鳥取市では210件に及ぶ公文書のうち、59件について性別欄を削除したという前例もあります。ぜひ今後、前向きな対応をお願いしたいと思います。

(後略)

東京・八王子市


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