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東京都葛飾区
updated 2004/06/11
平成16年第1回区議会定例会区長挨拶要旨 (2004/06/07)
区長のあいさつ
葛飾区長 青木勇
平成16年第1回区議会定例会区長挨拶要旨
[平成16年(2004年)6月7日]
平成16年第2回区議会定例会の開催に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。
本年度も、2か月が経過いたしましたが、区政は、区議会並びに区民の皆様のご理解とご協力によりまして、順調に推移しております。この場をお借りいたしまして、深く感謝を申し上げます。
(中略)
以下、「その他の当面する課題」について申し上げます。
第1に、「性同一性障害を抱える方々への配慮」についてであります。
「心の性」と「体の性」が一致しないギャップに苦しむ、性同一性障害を抱える方々への配慮につきましては、戸籍上の性別の取扱いを変更することができる手続きを定めた「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」が平成15年7月に制定されました。また、昨年の第2回区議会定例会において、「性同一性障害を抱える人々が普通に暮らせる社会環境の整備を求める意見書」が採択され、政府に提出されました。更に、区に対しましては、このような障害を抱える方々から、不必要な性別欄の削除などを求める要望書が提出されております。
こうした状況を踏まえて、区といたしましては、性別欄の記載のある申請書などの様式類について、全庁的な調査を行うとともに、担当部所の判断で削除が可能なものについては、順次削除を実施するなど、法の趣旨や要望を踏まえた対応を行っております。
この取り組みの一環として、印鑑登録事務における申請書及び証明書から、男女の性別を登録事項として明記している部分を削除するため、「葛飾区印鑑条例の一部改正(案)」について、ご提案をさせていただきましたので、よろしくご審議の程、お願いいたします。
(後略)
議案一覧・付託表平成16年 第2回定例会
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各種申請書等における「性別欄」記載等の調査結果について
つきましては、調査の結果がまとまりましたので、ご報告いたします。
記
1.調査の対象
区への申請書、区で発行する証明書等現在使用されているあらゆる様式類で、性別の記載のあるものを対象に、全課へ「各種様式等調査票」により調査を行った。
2.調査の期間
平成15年11月14日から平成15年12月16日まで
3.調査の結果
集計票は、別添のとおり
(1)「性別欄」の記載がある申請書等の様式数 341
(2)「性別欄」の記載がある申請書等の様式類の根拠法令
法 律 137
条 例 11
規 則 69
要 綱 40
その他 84
計 341
(3)「性別欄」を削除することが可能な申請書等の様式類 120
「性別欄」を削除可能な予定時期 件 数
平成16年1月1日(既に実施) 4
平成16年4月1日 79
平成16年度中 17
平成17年4月1日 9
平成17年度中 3
その他 8
計 120
(4)「性別欄」を削除することが否の申請書等の様式類 221
(5)「性別欄」を削除することが否の理由
「性別欄」削除の否の理由 件数
法律・政令の規定 102
国・都等の報告に必要 31
区民サービスに必要 22
その他 66
計 221
4.今後の申請書等について
(1)新たに作成する申請書等
新たに作成する様式類につきましては、法令等の規定を
除き、「性別欄」を載せないよう、配慮してください。
広報 かつしか No.1210 平成15年(2003年)11月25日号 4-5ページ (PDF)
特集 育んでいますか? あなたの人権意識
ひとりひとりみんな違う みんな同じひとつのいのち
性同一性障害者の人権
「性同一性障害」という言葉を耳にしたことはあるけれど?
「性同一性障害」とは、心と体の性が一致しないために、その差異に苦しむ状態をいいます。
性同一性障害を抱える方々は、性別の記載されている書類を提出することなどに抵抗があり、アルバイトでしか就労できない、アパートを借りることができない、病気になっても医療機関に行くことをためらうなど、日常生活をする上で不自由なことがあります。
平成15年7月に「性同一性障害者の性別の取り扱いの特例に関する法律」が交付されました。性同一性障害者氏名の変更に加え、16年7月から要件が整えば家庭裁判所の審判により、戸籍の性別変更が可能になります。
しかし、性同一性障害の方々に対する偏見や先入観が社会にあります。
性同一性障害について正しく理解し、偏見を無くすことが大切です。
選挙で性別問いません 都内7区が記入欄削除 性同一性障害者に配慮 不在者投票用紙請求書 (東京新聞 2003/11/07夕刊)
既に始まっている衆院選の不在者投票で、東京都内の七つの区が、本人確認などのために記入を求めていた投票用紙請求書の性別欄をなくした。性同一性障害の有権者らに配慮するためだ。
性別欄を削除したのは、世田谷、港、台東、中野、豊島、葛飾、練馬の各区。いずれも四月の統一地方選まで、投票用紙請求書に氏名、生年月日、住所のほか、性別の記入を求めていた。
統一地方選では、埼玉県新座市や草加市、都内の小金井市などの自治体が、性同一性障害の有権者からの「書類と外見の違いを指摘されるのが怖くて、投票に行けない」という声にこたえ、性別欄を削除。他地域でも同様の声が広がり、七区が衆院選からの削除を決めた。
葛飾区選管は「集計作業で男女別データが必要になるが、選挙人名簿から照合する自動システムが確立し、あえて本人に性別を問う必要はなくなった」としている。
不在者投票の請求書以外でも、都内の九区が今回の衆院選から、投票所入場券の性別表示をなくしたり、性別を記号表示に改めたりしている。
投票所入場券:性別必要なし 東京都内10区などで表示見直し (毎日 2003/10/29)
11月9日投票の衆院選を機に、「投票所入場券」(投票所案内はがき)にある有権者の「性別」表示を見直す動きが広がっている。埼玉県草加市など一部自治体は今年4月の統一地方選から廃止していたが、新たに東京都内の計10区などが表示を廃止したり、男女の区別を数字や記号に置き換える。心と体の性が一致しない「性同一性障害」の人に配慮したもので、投票結果の男女別集計の電算化が進んだことも背景にある。
投票所入場券は公職選挙法施行令に基づき、区市町村選管が有権者に郵送し、投票所で選挙人名簿と照合される。通常は有権者の氏名、住所に加え、性別も表示される。
今回の衆院選から性別表示を廃止するのは、都内の世田谷、豊島(葛飾)など計4区や神奈川県藤沢市など。また▽男性だけに「*」マークを付ける(江東、墨田、練馬区)▽男女を「A」「B」と表示する(千代田区)▽男女を「1」「2」と表示する(新宿区)――など、性別を記号化する自治体も多い。中野区や千葉県市川市も性別を数字に置き換えるが、「数字の意味が分かると置き換えた意味がなくなる」(同市選管)と表記方法は公表していない。
入場券は投票者数の集計に使われ、男女別集計が義務付けられているため、性別表示のある入場券を手作業で数えるのが一般的だった。しかし、世田谷区などは今回の衆院選から投票所にパソコンを設置し、入場券ではなく選挙人名簿のデータで投票をチェックし自動集計するため「入場券の男女表示は必要なくなった」という。
性同一性障害をめぐっては、今年7月に戸籍の性別変更を認めた特例法が成立するなど人権保護が進み、公文書の性別欄を見直す動きが全国で進んでいる。(中略)【重長聡】

区議会2003年第3回定例会会議録 (2003/09/17)
開催日:平成15年 9月17日
会議名:平成15年第3回定例会(第1日 9月17日)
(前略)
○(峯岸 實議長) 14番、杉浦よう子議員。
〔14番 杉浦よう子議員 登壇〕(拍手)
○14番(杉浦よう子議員) お許しをいただきまして、さきの通告の順に従いまして、区長並びに関係部長に一般質問させていただきます。
(中略)
最後に、性同一性障害について質問いたします。
性同一性障害を抱える人々が普通に暮らせる社会を目指す会の代表とともに、私は、平成14年度の参議院法務委員会を傍聴いたしました。胎児期に受けたホルモンの影響などで、生物学的な性と本人が自覚する性が一致しない性同一性障害者に対し、家庭裁判所の判断により戸籍上の性別変更を認める性同一性障害者の性別取扱い特例法が全会一致でさきの国会で可決成立いたしました。
同法は、与党三党のプロジェクトチームがまとめた議員立法で、性同一性障害者が、一、二十以上、二、結婚していない、三、子供がいない、四、生殖腺の除去などで生殖が不能の状態、その要件を満たす場合のみ、家庭裁判所に性別変更の審判を請求できるとしております。
性同一性障害者は、潜在的な数を合わせて推定約1万人、そのうち特例法で性別変更できる人は500人未満にとどまるのではないかと予想されております。その理由の一つとして、結婚していない、子がいないといった要件が課せられているためであります。今後の課題として、社会の認知が一段と進むよう働きかけ、社会的な差別を撤廃していかなければならないと思います。
今回の性同一性障害者の方々の要望の中にも、性同一性障害への健康保険の適応と、性別と容姿の性が一致しないため、アパート、マンションが借りられない。区役所の手続に時間がかかる。性同一性障害であることの説明をしたくないのにせざるを得ない。プライバシーを侵害され苦痛を強いられる。正社員としての就職が認められないため、社会保険の加入ができない。パートナーがいても婚姻できない。各種保険加入を拒まれる。治療、診察、カウンセリングが保険外適用のため、経済的にかなり負担など性同一性障害の方々の悲痛な声が多数寄せられております。
住民基本台帳ネットワークから性別欄及び性同一性障害を理由とした訂正履歴の削除、氏名変更履歴の削除、履歴書からの性別欄の撤廃など、今後も人権国家を目指して、社会の谷間に置かれた問題の解決に全力で取り組み、国に積極的に呼びかけていくべきと考えます。
今回光を当てられた性同一性障害者の抱える悩みはマイノリティー、少数派の人権問題であり、こうした問題に真剣に取り組む国こそ先進国と呼ばれるにふさわしいと思います。また、そういった意味で、この特例法を我が国の真実の人権先進国になっていく新たな流れをもたらすと考えます。
そこで、質問いたします。
性同一性障害への正しい認識と理解を、人権上の立場から職員、区民に周知を徹底すべきではないかと考えるが、区としての認識をお聞かせください。
申請許可等に関する文書で、現在、性別記載を必要とする書類がどのくらいあるのでしょうか。その中で、地方自治体で公文書として性別記載削除できるものがどのくらいあるのか、お示しください。
印鑑証明や選挙の投票所入場はがきなど、行政文書から性別記載削除すべきと思うが、見解をお示しください。
以上、私の一般質問を終わらせていただきます。
今回は、生活者の視点から質問をさせていただきました。理事者の積極的な答弁をよろしくお願いいたします。
ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○(峯岸 實議長) 区長。
〔青木 勇区長 登壇〕
○(青木 勇区長) 杉浦議員のご質問にお答えをいたします。
(中略)
次に、性同一性障害の正しい認識と理解を区民等へ周知すべきであるというご質問にお答えいたします。
この問題については、先般の第2回定例会での意見書の採択、あるいはまた私のところへも障害を持つ方々からのご要望が寄せられているわけでございますが、今日の社会では、女性の人権、子供の人権、同和問題等々さまざまな人権問題がございますが、性同一性障害を持つ人の人権につきましても、社会が抱える人権問題の一つであると認識をしております。
区職員に対しては、男女平等や人権問題等の研修の中で、性同一性障害者の人権問題についても啓発をしております。
一方、区民の皆様に対しては、広報紙等を通じて、性同一性障害を含めてさまざまな人権問題について、偏見や差別を解消するよう、今後も啓発活動に取り組んでまいります。
次に、申請書、許可書等の公文書についてのご質問がございました。
本区におきます申請書、許可書等の公文書の件数につきましては、昨年の調査では約2,300件に上る状況となっております。
その中で、性別欄記載を必要とする件数については、今後、個別調査を行って、性別欄記載の削除が可能であるかどうかを個々に検討をしていく予定となっているところでございます。
選挙の入場整理券や不在者投票の申請書などにつきましては、現在、性別欄を省略する方向で検討しているところでございます。
(中略)
○(峯岸 實議長) 23番、石井みさお議員。
〔23番 石井みさお議員 登壇〕(拍手)
○23番(石井みさお議員) お許しをいただきまして、区政一般について、さきの通告に従い質問をいたします。
(中略)
次に、性同一性障害についてです。
性同一性障害を抱える人々が普通に暮らせる社会環境の整備を求める意見書が、6月26日の葛飾区第2回定例会で、全議員の賛成により、内閣総理大臣をはじめ関係各大臣に提出されました。
性同一性障害とは、形態的には完全に正常で、自分の肉体がどちらの性に属しているかをはっきり認知している一方、人格的には別の性に属していると確信している状態で、体と脳の性の不一致によって起こる病気で、その食い違いに苦しむ状態を言います。妊娠初期のホルモンのバランスの崩れや、社会的ストレスを強く受けた場合等が要因と考えられています。
平成6年、日本精神神経学会はガイドラインを定め、外科的手術が合法となり、正当な医療行為として性転換手術が埼玉医科大学と岡山医科大学で行われ、希望者が多い中、現在27例が報告されています。医療費のこともあり、海外で手術を受ける人もあります。
埼玉医科大学倫理委員会は、性同一性障害を医学的治療対象であると位置づけ、手術療法であることを明確にしました。そのために、早急に整備する問題の附帯条件をつけました。しかし、国の実情からはほど遠いのです。日本の医学界が封印されてきた性転換を医学の問題として正面から取り組み、テレビ、新聞にも取り上げられ、広く性同一性障害が病気として認知されましたが、社会的にはまだまだこれからの問題です。
性同一性障害を明らかにして、世田谷区議が誕生しました。また、亀有在住の当事者から申し出があり、身近な問題として認識を新たにしました。趣味、嗜好で生き方を選ぶのではなく、差別、偏見、べっ視の中で命をかけて生き方を選択する当事者が差別されない社会の構築は、人間の存在の本質にかかわる課題であります。
本年7月16日、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律が公布されました。家庭裁判所に性同一性障害で性別の取り扱いの変更の審判をすることができるとして適用条件が新たな差別を生じ、課題を残しました。しかし、戸籍の性が社会での壁となっていた当事者にとり、朗報であります。この問題で積極的に取り組む自治体もあります。
そこで、質問をいたします。
1、本区の発行する公文書から、可能な限り不必要な性別欄の削除、廃止をしてはどうか。
2、性別によらない選挙における本人確認方式の再考とその構築をすべきと思うが、どうか。
3、区職員、教育関係者、医療従事者への研修等の啓発活動を行うべきと考えるが、どうか。
4、学校教育の一環として取り上げ、父母への理解の促進及び児童のための相談機関の設置が必要と考えるが、いかがですか。
5、区民の理解促進のための啓発活動について、いかがお考えですか。
(中略)
以上で私の質問は終わります。
ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○(峯岸 實議長) 区長。
〔青木 勇区長 登壇〕
○(青木 勇区長) (中略)
次に、性同一性障害についてのご質問にお答えをいたします。
先ほどもお話がございましたが、この問題については、さきの第2回定例会で意見書が採択され、私のところへも障害を持つ方々からの要望が寄せられたところでございまして、今日の社会が抱える深刻な人権問題であると認識をしているところでございます。
まず、公文書から可能な限り不必要な性別欄を削除する、あるいは廃止することはどうだろうかというご質問でございます。
本区で扱っております申請書、証明書類の公文書には、住民票の交付申請書をはじめ、さまざまな申請書や証明書類が存在をしておりまして、その件数は約2,300件に上るわけでございます。
その中で、性別欄がある申請書等が幾つあり、真に性別が必要なものが幾つあるかを、これから個々に調査をして、法令等によって定められているものを除いて、性別欄の削除、廃止が可能かどうかを検討していきたいと考えております。
また、選挙の入場整理券や不在者投票の申請書などにつきましては、現在既に性別欄の省略をする方向で検討をしているところでございます。
次に、啓発活動についてのご質問にお答えをいたします。
まず、区職員への研修についてでございますが、さまざまな人権問題の一つとして、性同一性障害者の人権問題を取り上げ、偏見を持つことがないよう、理解を深めるための研修を実施しております。
また、教育委員会では、学校教育におきましても、性同一性障害者の人権につきまして、人権教育の一環としてとらえており、今後とも、講演会や資料を通じて教員、父母への理解が深められるよう働きかけていくことにしております。
区民への啓発につきましては、広報かつしかの人権特集号の掲載をはじめ、人権問題の研修会、講演会を開催するなど、今後とも一層の啓発に取り組んでまいりたいと考えております。
(後略)
性同一性障害を抱える人々が普通に暮らせる社会環境の整備を求める意見書 (2003/06/26)
性同一性障害を抱える人々が普通に暮らせる社会環境の整備を求める意見書
性同一性障害とは、心の性と体の性が一致しないために、そのギャップに苦しむ状態をいう。原因は不明であるが、胎児期の脳が通常ではない量や質のホルモンを浴びてしまったという説が有力視されている。
我が国では1997年に日本精神神経学会によるガイドラインが定められてから、外科的医療の適合手術が合法的に可能となり、翌年には、初めて正当医療行為として手術が埼玉医科大学で行われた。その後、手術待ち希望者が数多くいる中で、現在、手術は27例が報告されているに過ぎない。
性別が記載されている住民票を提出できず、アルバイトでしか就労できない、家を借りることが難しい、国民の権利である選挙権さえ行使しにくいなど、日常的な普通の生活ができず、また、医療面でも専門医は限られ、保険適用もなく、経済的にも大きな負担となっている。
「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」が2000年の12月に制定され、関連の答申「人権救済の在り方について」及び「人権教育啓発に関する基本法」では、性同一性障害の差別を解消し、人権の擁護に資することをうたっているにもかかわらず、当事者の不自由さは何ら変わっていない現状である。
戸籍と異なる性で生活することで普通に生きることができない性同一性障害者のために、早急に必要な法の制定と社会環境の整備を求めるものである。
よって、本区議会は、政府に対し、以下の事項を強く要請する。
記
1.戸籍の性別訂正を可能にする法を制定すること。
2.公文書の性別記載の再考と可能な限りの削除を行うこと。
3.就職、不当解雇、職場差別を禁止すること。
4.保険適用、医療機関の拡充など医療面での支援を行うこと。
5.教育、医療関係従事者など、性同一性障害にかかわる専門職の人々に対する研修を行うこと。
6.性教育の充実及び教育現場での理解を推進すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成15年6月26日
葛飾区議会議長名内閣総理大臣、法務大臣、厚生労働大臣、文部科学大臣 あて
決議状況・全会一致
区議会2003年第2回定例会会議録 (2003/06/26)
開催日:平成15年 6月26日
会議名:平成15年第2回定例会(第2日 6月26日)
(前略)
○(峯岸 實議長) 次に、日程第23、議員提出議案第10号、性同一性障害を抱える人々が普通に暮らせる社会環境の整備を求める意見書を上程いたします。
提出者代表の説明を求めます。
37番、高橋信夫議員。
〔37番 高橋信夫議員 登壇〕
○37番(高橋信夫議員) 提出者を代表いたしまして、提案理由を申し上げます。
ただいま上程中の議員提出議案第10号、性同一性障害を抱える人々が普通に暮らせる社会環境の整備を求める意見書につきましては、議会運営委員会に所属する議員全員で提案するものであります。
性同一性障害とは、心の性と体の性が一致しないため、そのギャップに苦しむ状態をいい、1997年に日本精神神経学会によるガイドラインが定められ、外科的医療の適合手術が合法的に可能となりましたが、手術待ちの希望者が数多くいる中で、現在、手術例は27例にすぎません。
性同一性障害を抱える人々は、性別が記載されている住民票を提出できず、就労や居住環境などにおいても普通の生活が困難な状況にあります。また、医療面でも保険適用はなく、経済的にも大きな負担となっているのが現状であります。
2000年12月に制定された人権教育及び人権啓発の推進に関する法律の関連答申では、性同一性障害の差別を解消し、人権の擁護に資することをうたっているにもかかわらず、当事者の不自由さは何ら変わることがありません。
そこで、性同一性障害を抱える人々が普通に暮らせる社会環境の整備を求める意見書を内閣総理大臣、法務大臣、厚生労働大臣、文部科学大臣あてに提出するため、本案を提出するものであります。
それでは、これより意見書案を朗読いたします。
性同一性障害を抱える人々が普通に暮らせる社会環境の整備を求める意見書
性同一性障害とは、心の性と体の性が一致しないために、そのギャップに苦しむ状態をいう。原因は不明であるが、胎児期の脳が通常ではない量や質のホルモンを浴びてしまったという説が有力視されている。
我が国では1997年に日本精神神経学会によるガイドラインが定められてから、外科的医療の適合手術が合法的に可能となり、翌年には、初めて正当医療行為として手術が埼玉医科大学で行われた。その後、手術待ち希望者が数多くいる中で、現在、手術は27例が報告されているに過ぎない。
性別が記載されている住民票を提出できず、アルバイトでしか就労できない、家を借りることが難しい、国民の権利である選挙権さえ行使しにくいなど、日常的な普通の生活ができず、また、医療面でも専門医は限られ、保険適用もなく、経済的にも大きな負担となっている。
「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」が2000年の12月に制定され、関連の答申「人権救済の在り方について」及び「人権教育啓発に関する基本法」では、性同一性障害の差別を解消し、人権の擁護に資することをうたっているにもかかわらず、当事者の不自由さは何ら変わっていない現状である。
戸籍と異なる性で生活することで普通に生きることができない性同一性障害者のために、早急に必要な法の制定と社会環境の整備を求めるものである。
よって、本区議会は、政府に対し、以下の事項を強く要請する。
記
1.戸籍の性別訂正を可能にする法を制定すること。
2.公文書の性別記載の再考と可能な限りの削除を行うこと。
3.就職、不当解雇、職場差別を禁止すること。
4.保険適用、医療機関の拡充など医療面での支援を行うこと。
5.教育、医療関係従事者など、性同一性障害にかかわる専門職の人々に対する研修を行うこと。
6.性教育の充実及び教育現場での理解を推進すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
以上で私の提案理由の説明といたします。
よろしくご決定のほどお願いいたします。
○(峯岸 實議長) 上程中の案件について、質疑を許します。
6番、福本亜細亜議員。
○6番(福本亜細亜議員) 議会運営委員会所属の議員全員の賛成を得まして、ただいま上程中の案件については委員会付託を省略し、直ちに採決されるよう動議を提出いたします。
○(峯岸 實議長) お諮りいたします。
福本亜細亜議員の動議のとおり決することに異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
異議なしと認め、福本亜細亜議員の動議のとおり、本件については委員会付託を省略し、直ちに採決することに決定いたしました。
お諮りいたします。
本件について、原案のとおり決することに異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
異議なしと認め、本件は原案のとおり可決されました。
〔資料編参照〕
(後略)
普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の公益に関する事件につき意見書を国会又は関係行政庁に提出することができる。